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男と女

渚にて 悲歌

「渚にて」ネビル・シュートの小説、これを元に制作した1959年のアメリカ映画、グレゴリー・ペック, エバ・ガードナー主演, スタンリー・クレイマー監督, の洋画。

米ソ冷戦下の最中に製作された、核戦争後の放射能汚染の恐怖を淡々と描いた小説の映画化である、時は1964年。

現在の世界情勢を考えると今こそ世界の人々が注目して参考にしなければならない物語である。

当時、洋画といえば西部劇に傾倒していた私は難解なこの洋画を見ることはなかった、

このブログ投稿を契機に劇場版は無理としてもyou  tube等で観たいと思っている。

渚にて

幼い私にひと回り上の男の悲恋を知る由もない、ただ、私に寡黙だった男であるが、男友達は多く、夜毎、山仕事の疲れを癒すかのようにギターを弾いていた、その男の胸中を知るのは随分歳月が経ってからである。

今でこそ私の故郷は、その結婚様式が様変わりして他市町村との組み合わせが当たり前になったがそれまでは狭い村内同士が主流の縁組が多かった、私の父母もそうである。

隣部落の女性と淡い恋心を育んでいた男の身の上に思いもよらぬ事態が迫っていた、養子縁組の話が持ち上がったのである、断りきれない義理の前に男と彼女の辛い決断が迫られていた。

逃避行! それを成すには当時の事情は許されるものではなかった、村八分覚悟の難題の前に2人は別れの道を選択したのである、死ぬほどの哀しい決断だった。

2人の村落の中間点にねずみ島と呼ばれる小さな小島がある、潮の満ち引きで100m程の通路が現れる、歩いて渡ることができる、当然、満潮になると道は海中に没して渡れない。

残り少ない逢瀬の時間のねずみ島、2人は自死の誘惑に駆られたが流す涙の数ほど耐え続けた、巷で人気女性歌手の菅原都々子の  ♪   江ノ島エレジーが女性達の涙腺を緩めていた。

着々と義理に縛られた縁談話は進んでいた、2人は意を決して、最後の逢瀬は夜の闇を避けて昼間の小島に決めた、当日は柔らかな日差しの元、海は穏やかに凪いでいた。

渚にて・・・

菅原都々子の江ノ島エレジーが2人の別れを惜しんで嘆き節に沈んだ   !

倉若晴生集     江の島エレジー      田端義夫

どうか ! You Tubeでお聴きください 。

・・・・・

昭和から平成、二人は前後して黄泉の国へ旅立った、

別れのねずみ島 泣きぬれた小島よ !

胸締め付けられた昭和よ、ふたりに令和の世は来なかった、

あの世に小島の磯があるなら、渡り道があるなら手を携えて渡りなさい、

小島の海は 凪いでいる 渚にて ・・・

♪ ねずみ島エレジー ふたりの哀歌よ !

一回り下の弟は あの四畳半の男たちのギター演歌を忘れない、 

ああ !  兄よ    !?


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