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思い出

男達の挽歌 芦原 降臨

港町に極真会館の芦原英幸氏 (以下敬称略) が来浜する同時期に 「あの男は何者!」と噂され始めた男が居た。

その頃までの港町は2~3の店を除いては、その筋の関係者が 多数を占めて素人の入り込める世界ではなかった。

小柄で見るからに貧相な男、何処をとっても秀でたものはない、 若干25歳の経営者、その腰の低さと斬新な店の作りが町の人 の噂に登り始めた。

当時は新規開店の珍しい時代、物珍しさもあって開店2~3週間は 来客の途絶えることはなかった、しばらくすると町の元気もの達が 数名単位で押しかけてくる、経営者の品定めと云う奴である。

組みし易いと見ればあれやこれやと難癖つけてくる、彼らの狙いは 「金!」銭をせびると云う奴である、

初めの出逢いが勝負の別れ目、 私はここのところが他の経営者と違っていた、頭は下げるがうんと 言わない、舐められないということである。

だから最後の閉店まで他の経営者の味わう苦痛はなかった、その最大 の要因が町のお兄さんに妙に可愛がられたと云うことに尽きる。

云うことは聞かないがそれでも意地のない可愛さと云う奴だろうか ? とにかく納得して下がってくれた、町一番の顔役T兄の引きが効いた。

「Sよ!われ! 大概にせいよ ?だが、お前は の~?」そう言ってニヤリと笑った。

町の兄さんたちが「あれが噂の芦原か ?」勇名はせて売り出し中の 芦原師範を「芦原!」と呼び捨てにしたT、お互いの垣根を越えて認めて くれた兄 ィ だった、キュンと鼻につく郷愁の男伊達は港町の星空に消えた。

通りすがりに数人の男達がもめていた、拳骨が相手の頬に入った「バシっ!」 殴った男Kと私の目が合った、まるでしゃもの喧嘩に私は思わず笑った ?

Kはそれが気に入らない、悔しいが私には手が出せない、勝てないからである ?

「あの男は何者 ?」 私の噂が鎮まるのは早かった、本モノの空手の勇者 ! 芦原英幸の蛮勇が轟くことになるからである、港町八幡浜に空手の星が舞い降りた。

芦原会館の雄大な歴史が始まる夜明けがそこに来ていたのである  !?

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