インディペンデンス　　使えない乗り物

その子は不思議な子供だった、

仲間が輪になって遊んでも、その子だけは一人離れて砂遊びをしていた、それも一心不乱に他を顧みず、日本の四国は高知県境にその子の住む沖へ伸びた村は在った。

彼が小学5年の秋、優しい母は病に勝てず天国に召された、父のいないひとりっ子、親戚の話し合いで施設に預けられた。

地元の中学へ進学したが夏休みに入って間もなく彼は当時の国鉄Ｕ駅から東京行きの切符を握って夜行列車に飛び乗った、見送る人もなく地元の人の記憶から薄れていったのである。

マスコミがロシアによる衛星破壊実験の模様を伝えた、アメリカの激怒と諸国の困惑に国連は為すすべもなかった。

それからしばらくして世界各地で奇妙な自然現象が勃発する、UFOの出現が増え世界のマスコミが報道する、その真偽は未だ不明だが人々への認知度は格段に上がって来た。

多数の人の目にハッキリとした姿を見せるようになったのである、

映画「インデペンデンス・デイ2021」は、巨大UFO襲来！その都市の空を覆う巨大UFOに度肝を抜かれた。

アメリカのある砂漠にその秘密基地は在った、頻繁にUFOらしき乗り物が発着離陸する姿を地元の住民は恒常的に目撃していた、感覚の麻痺は、それは地球外生命体というよりも米軍の物との認識だっだのである。

その頃、中国をはじめ世界各地で特に原発上空で発見されることが多くなった、地元住民の話題は不吉な予感、宇宙人の襲来を噂しあった、

その基地では数えきれない軍関係者、研究者その他の人々が黙々と働いていた。

「ミスターＡ先生 ！」「ドクターＡ！」

基地の人々から尊敬の眼差しで見上げられる日本人がいた、数十年前、日本の四国の片田舎から東京へ向かった少年だった、東京の街をさまよう彼に手を差し伸べた人がいた。

米軍横田基地で働くドクターＭ、米軍高官の一人だった、この夫婦が彼を我が子のように慈しんでくれたのである、彼は、マサチューセッツ工科大学、通称MIT、へ進んだ、航空宇宙工学の世界を目指したのである。

彼の目的は、巨大UFO、あのインディペンデンスデイに観た乗り物を作ること、時代の移りに目的は修正される、軍事衛星の捕獲、原発収納、破棄。

原発については地域の放射線被曝を防ぎUHOに施設ごと吸い上げて取り込み暗黒の宇宙、不要物の墓場へと放棄する乗り物を作ることだった。

宇宙人が了解するかどうかは未知数であるが ？

ドクターＡは、ロシアの衛星破壊実験のニュースを同僚とともに基地で見ていた、「OK ！  ウエルカム  ！」彼のその笑顔に同僚たちは手を差し伸べて讃えた。

その半年後、彼らの研究は成功裏に終わった。 

どこで製造するのか、ロシア、中国の目がある、地球よりさらに高高度巨大な宇宙の工場が必要になる、資材はロケットによるピストン輸送、宇宙エレベーターはまだ間に合わない   ？

インディペンデンスのお披露目は見れないことに意義がある、稼働は第三次世界大戦の始まりを意味するからである。

1年後のある土曜日、

四国は寂れた寒村に博士の姿があった、亡き母への墓参である、博士の両の目から大粒の涙が流れた、その脇にアメリカ人の妻の姿が寄り添っていた。

世界は激動の時代を迎えている、共産主義国家の世界制覇の野望、宇宙競争にもしアメリカが敗退するならそれは地球の終わりを意味する。

全体主義の地球ナンバーワンを、宇宙連合が許す訳がない。

インディペンデンス　　使えない乗り物

ミスターＡ先生 ！の後に続く日本人の出現に期待する　　　！？