男って奴は切ないね!
ぬくもりの空から、弱気ものを悼むように子供達の声があがる、車が数珠つなぎの河川敷の公園は、風の音がせせらぎに混じって聞こえて来る。
いつもなら、ホッと一息つく安らぎの時間、しかし、今の私には振り払えない懺悔の時でしかない、「ニャンよ!」
我も我もと足元にまとわりつく子猫達の中で「僕を忘れないで!」 と、ニャンが擦り寄って来る。
一番先に順番を優先していたお父さん猫は次第に後回しになって私の足に身を預けるようになった。
そのイジらしさが私の心を泣かせてやまぬ、「ニャンよ!もう一度で良いから健気な姿を見せてくれ!」
車窓の向こうに 雲と霞に曇る峰が物悲しく佇んでいた。これが現実なんだ!
4月1日のエープリルフールには、何度(これは夢なんだ!) と呟いたことか、自分の手元から消えたか弱気ものへの未練が我が身を焦がす。
いつも寡黙だったニャンで良いから、・・もう一度会いたい、
早くに母親と別れたニャンは、我儘を言わない良い子猫だった。
家族が増える食事時子猫達を優先して後から食べる父親だった。
あの団欒が家族から奪われた、父親のいないニャンの子供達は淋しげな表情を見せる、人間の世界で起きる悲惨な事件、出来事が彼等の現実に重なる。
黄昏れ寂しい我が余生よ!ふっと先人達の姿、表情が量なる、先発った友達が悲し気に振り返った。
「Sよ! お互い別れは辛いもの、哀しかったら迎えに行くぞ!
お前なら辛抱できると思うがね!」 3・3かぶ島会、川高36会、義に熱い男達がそう言って笑っている。
「ニャンよ! お父さんもう少し頑張るわ!」
移動した花木センタ駐車場には様々な悩みを抱えた男達が涼を取っていた。
男って奴は切ないね !?