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思い出, 日常生活

男たちの挽歌 まどろみの中に夢を見た

まどろみの中に夢を見た

慌ただしい年の暮れ、近年になく仕事に追われている、暖かく温めた布団に入ると何も考える余裕もなく深い眠りに入った。

とりとめもない日常生活がボンヤリと、場面によっては臨場感タップリに鮮明に現れる、本人は夢とは思わない。

あくまでも日常生活の延長だとの認識である、現存する人も居れば、既に亡くなった人もいる、それは多士済々。

数十年前の懐かしい想い出が続く、そしてひとっ飛びに現在の情景が現れる、その因果関係はマチマチ、喜びと悲しみが一度に押し寄せる。

ところが不思議なことに私の夢には、両親や肉親の姿はほとんど出てこない。私がどんなに苦労しても「Sは決して投げない! 弱音は吐かない男だ !」との思いが強いから夢にさえ出て来ない。

兄弟達が生きている時、あまりに私に負担をかけすぎた、私を頼むと兄貴達にさえ言ってくれないのに、弟の事は助けてやってくれと私に言い続けたお袋だった。

田舎者の無知、家族の恥だが正常な教育を知らなかった親の不憫さで有る、そちらに行ってまで面倒は見れないよ  !これからは、あんた達が親の務めを果たしなさい。

弟達を押し付けられた私の最後の親不孝で有る。

今気がつくのは・・・

我が肉親たちは、特に男たちは意志の弱い他力本願者が多過ぎた、これでは競争社会で勝てるはずはない。

野に育たない貧弱な草花よ、それでは世渡り上手にはなり得ない    「強い者を頼る筈だよ弱虫さん   !」

私の肉親への注文と小言で有る。

強い者、正義感の旺盛な者たち、私の過去、周辺にはこんな勇者達がザラにいた、さすが武道系、みんな逆境に強かった。  

県と市の役所を回ってひと休み、今日は珍しく職員に意見した、普段はおとなしくしている私だが、たまにゲキを飛ばす。

「なんか勘違いしていないか   ?」 (私は雇われ小僧じゃないぞ  !)

痛いところをついたから、彼らは神妙に聞いていた。

未舗装の広い駐車場は、ひと時の安らぎを 私に与えてくれた、リクライニングを倒して目を閉じた、旧友たちが顔を出してくる。

まどろみの中に夢を見た、懐かしい男達の幻   !

「Sさん! しぶといね  ! 待ってるからゆっくりおいで  !」

涙の滲む野郎たち、我が青春時代の戦友たち   !こんな時って女は出て来ない  !

男たちの挽歌 まどろみの中に夢を見た   !?

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