長渕剛の演じる英二の喧嘩シ-ンを金子正次の竜二のパクリだと非難するファンがいる、それは可笑しいですよと言いたい。
長渕一流の金子竜二へのオマ-ジュだと思ってあげるべきでしょう、町で普通に見かける元気者達の喧嘩のやり方なのだと思えば別にどうってこともない。
腰の座らない軽い動きの殴り合いは、町で良く見かけたものだ ! 町で屯するチンピラ達や顔の利いた兄さん達の殴り合いの場面に遭遇したが、まるで長渕の英二そのものでしたよ。
何度か手合わせした男達も一発一発は軽かった、そしてスロ-モ-ション、ある兄貴分の殴り合いを見て声を出さずに笑ったら「気に入らん!」と言ってしばらくは気まずい思いをしたものです。
勿論、本物の素手ゴロは星の数ほど居る、ユメユメ侮らないことです。
その点、空手など武道をやっている男達の腹にくい込む突き、蹴りは、彼らにとって予想外の破壊力だと驚くはずです。
とにかく腹にめり込む突き蹴りと顔面攻撃は、普通の人では防ぎようがない、だから相手によって刃物と云うことになる。
竜二の誇り、ヤクザのポリシ-かも知れぬが、刃物、ピストルのないヤクザ映画「竜二」は、珍しい程の金字塔で後世に残る作品となった。
特にショーケンの愛称で知られる萩原健一の劇中歌 ♪ ララバイは名曲として一般大衆の記憶に残ることになった。
バーゲンセールの店先で、見詰め合った「竜二とまり子」の無言劇 ?
あの切なさは、男女を通じて涙を誘うものと為った。
竜二 ED
愛媛県松山市津和地 海に霞む 七つの島 旧中島町、
竜二の夢半ばの無念を労わるように静かに凪の中に静まり返っていた。
合掌