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人生

夜空の星

夜空の星

燦々と降り注ぐ陽光、馴染みの駐車場は沢山の車がそれぞれの思いを乗せて寄り添っていた。

「幸せですか、悩みがおありですか  ?」私も様々な思い出を引き出していた。

人様より1ヶ月遅れの花粉症、ある男が「今年の花粉症は特別ひどい !」と、ひと月前に電話で愚痴った、彼より一週遅れの疫病神、久しく行っていない院長を訪ねる予定の今日の水曜日「とうとう来たかや花粉症 ?」院長先生の冷やかし笑顔が眼に浮かぶ。

そう言いながら私の1日は多忙、親友が来松というのに逢えないもどかしさ!

「Sさん!疲れが顔に出てますよ  !」優しい後輩の慰めに、ほろ  ! 

一足遅れのお墓参りの帰郷に、90歳を越えた姉が「足元大丈夫か ?」と心配気に聞いてきた、普通なら若い弟が年老いた姉を気遣う側なのに  ?

今日はあることで浮かんで来た言葉がある「喧嘩の流儀」で有る、

決して不逞の輩の殴り合いの喧嘩ではありません、組織の方向づけに起きる主導権争いを指す。

経験の浅い者に見受ける思慮のなさと驕り、相手に対する敬意のカケラもない傲慢さ、我々の立ち位置は何処にあるのか今一度冷静に考えよ。

陰で繰り返される相手への叱責と偽りごと、何を生業にしているのか分かっているのか ?  いずれ吐き出した言葉は神の意志を伴って我が身に返ってくる。

「忘れまいぞ!」日本人の良さは相手に対する気遣いにある、多数の前で吠えた我が身を後悔する時がくる、「その任にあらず!」私の元には様々な思惑を伴った各人の腹の中が訴えてくる、嘘も誠も混ぜこぜに。

老境に欲はなし、淡々と過ごす我が身の前に立ち込める霧が不思議と消えて行く、

組織も市井も選挙の季節、昨夜も乞われて遠出した、歳のせいが身に染みる。

澄み切った夜空の星が意味深に瞬いていた、人間のあざとさを嘲笑うように、

「自惚れるもほどがあるぞ、せめてお前さんだけでも自重することですよ  !」

夜の帰り道は怖い、慎重にハンドルさばきの私を追い立てるように後続の軽四が突っ込んで来た、青年かと思いきや、年輩の女性ドライバー、「ええ!大丈夫か  ?」  

夜空の星  

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