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思い出

想い出のA先生 家族の絆

寒さの厳しくなった山間の町は、年の瀬の慌しさに包まれていた、
小さな古びた雑貨屋さんに入って、目当てのお家を訪ねた。

「Aさんのお家は向こうに見える曲がり角の近くですよ、そこで
又、お聞きになってください。」
日頃、暖かい交流が有った事をその言葉で理解できた。

さすがA先生だな、私は生前の温厚な先生の姿を思い浮かべた。
雑貨屋さんで聞いたA先生のお宅へ電話をおかけした・・・

声の通る落ち着いた奥さんのお声だった、思っていたよりお元気そう、
曲がり角から数10mの向こうに車を追う女性の姿が見えた。

A先生の奥さんだった、
感じの良いお方で、「寒いところを済みません」暖かいお言葉だった。
家に入ることを進められたのでご焼香させていただくことになった。
庭の広いお宅で二軒の家が建っていた、息子さんの家も建築されていた。

仏間に案内されて、荘厳な仏壇にご焼香させていただいた、
「一年半になります」 奥さんからその闘病の日々を聞かされた。

本来ならば湿っぽい暗い気持ちにさせられるところだが奥さんの人柄で
明るく淡々とその日々を知ることとなった。

ここでも、人の縁の不思議さを知らされることになった、
A先生とは私が松山に来て直ぐの頃に知り合ったのだが、全く知らない
事があった・・・

A先生の従弟の長男と私の次男が小学校・中学校と同級生でそれも毎朝
肩を並べて通った間柄だったのである。

盟友ダニ-先生はA先生のご長男とM先生の下である関係の仕事を共に
している、何と不思議な縁があるものよと驚いた次第である。
それ故、お邪魔する時間を失して、長い時間の雑談をさせていただいた。

A先生、怒っているでしょうねと冗談も出た次第である。

辺りは次第に夕闇が迫っていた、寒い中玄関先まで奥さんにお見送り頂き
帰途に着いた。

若すぎる死である、
独身のご長男にダニ-先生と花嫁さんを紹介することを誓ってA先生へ
遅すぎたご焼香の失礼をお詫びする。

人生は、何 ?
又、私の解けぬ謎が増えた、 家に帰ると美味しいお米が届いていた。

私とは切っても切れぬ、B先生からだった、
名門県立校から関西の有名大学へ進んだ英才、現在同業者として手を
取り合っている、身体の問題はあるが優しい家族に囲まれた家庭生活は
うらやましい限りである。

金持ち喧嘩せず、彼はこの部類に入る聖人である。
先ほどまで長文のメ-ルをしたためて返信したばかり、そのあおりで
千葉の兄弟分へのご返事は明日に持ち越しとなってしまった。

昨日、ご長男さんの赴任先の地酒を送ってもらったばかりである。
家族で頂戴することにしている、人の縁、私の人生、余生は多彩な才媛
に囲まれて花開く、人間って嬉しいものですね、その心の中が愛しい。

今年の年賀状は、今日、大方投函した、今年の年賀状はメ-ルアドレス
を大書した、何故か? 耳の不自由な友の為に、友情のメ-ル便を開設
せんが為である。

東京のKちゃん、年賀状が届いたら、まずあなたからメ-ルを送信して
ください、音のない世界で有っても、美しい花は咲くはずですよ。

今日は、寒さの中に生きる意味を再確認した一日でした。 

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