口八丁 手八丁
近年、あまり人の批評をしないよう心がけている私だが、
友の死を身近に見て少しだけ述べて見たいと思う。

それは、小学校低学年に遡る、3月生まれの私は、子沢山
の家庭に育ったこともあって、身体の小さな子供だった。

姉が4人も居たのだから誰かが勉強を教えてくれても良かった
と思うのだが、記憶の中で教えてもらったことがない。
戦後のモノの無い時代、別の理由があったのだろう ？

自己の学習能力のなさを他に転嫁してもしようが無い、

そう言うところから勉強、体操に至るまでコンプレックスの
塊だった、必然的に人の前で自己主張する事が苦手になった。

口下手の仲間入りである、劣等生でも口の達者な者はいた、
彼らはクラスの中で話題の中心にいた、羨ましい存在だった。

口下手は自信の無さの裏返しで何をしても差しくられた、
その時は、格別意識していなかったが、立ち振る舞いの上手
な友へは無意識に軽蔑していたかもしれない。

大人になっての結果論、人情の気薄な現代にあってじっくり
膝を交えて語る事の無い時代では、短い時間で自己主張出来る
者が何事も有利になる、又、それらが主導権を握る。

自治会、その他の会合においても言えるのではなかろうか ？

政治の世界、弁論の立つ政治家と学歴の無い陣笠代議士でも
言えるのではないか、勿論それを上回る努力の結果では別だが。

時々テレビ番組で大学生がディベ－トをやっている、口下手に
とっては苦手なやり取りだが、政治家及び商売人に方向を取る
者は、学ぶべき必須科目かもしれない。

さしずめ私から見れば蔑みの対象でしかなかったが、経験から
見て取り入れるべきだったと反省している。

亡き友は、弁は立つ男で度胸もあったが、何せおとなしかった、
選り分けかき分けの図々しさがなかった、余りに正攻法だった、
だから上司に取りいる世渡り上手の反対に位置していた。

世に言う、太鼓持ち、ゴマスリの対極が私たち口下手連だった、
必然的に私の性格には相い居れぬが、来る分には受け入れた。

何事も口八丁は宣伝上手、欠点を隠して長所を巧く宣伝する、
そして、政治の世界で蠢くように勝つためには手段を選ばない、

私の仲間は出席者名簿を知る立場の相手側から誹謗中傷まがいの
妨害工作にあって4票差で涙を飲んだ。

トップ争いに臨んだ私への工作は、推して知るべしである、
口下手でも情報を握れば、これほど強いものはない、( 笑い！)

しかし、自分の戦いには禁じ手として懐に収めて使わなかった。

そういうところで約束のお茶の時間がやって来た、では！ 又。