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雑談

陽だまりの中で 神の子エンジェル

「ご心配いりません、私について来てください。」
エンジェルのテレパシーは何の不安もない優しいものだった、
( 任せよう ) 私は安心感と云う境地に立っていた。

突然身体が高速エレベーターで下降するような感覚を覚えた、
それは数秒の短い時間のように感じられた、
「目を開けて見て下さい!」 言われるとおり恐る恐る目を開けた。

私は、真っ青な水辺に立っていた、見事なエメラルドグリーンの
波ひとつない海、水平線は見えない、フッと視線を空に向けると、
雲ひとつない青味に縁取られた茜色の空が何処までも広がっていた。

何処にも見たことのない不思議な感覚、天空の両端に二つの太陽が
目を痛めない程度に光り輝いていた、私が目にする太陽とは違う
色合いの、薄紫がかった色彩だった。

「ここを何処だと思いますか ? 地底そう地球の内部なのですよ!」
「地球のマントル下部、外核に近い辺りにこの地底湖は存在する、

それもあなた方がいつも見ている海よりももっと大きな体積を有して
居るのです」
この荘厳さに圧倒される私は、言葉が出なかった、

「不思議に思うでしょうが、ここに住む生物が居ると知ったらあなたは
どう思われますか ?」
「又、別の世界を見てから詳しく説明いたします、一旦戻りましょう」

その言葉が終わらない内に身体が上昇し始めた、雲が、星々が下に
向かって物凄い勢いで落ちて行く、と云うことは果てしなき空に向かって昇って
いると云うことに他ならない。

ある天体が猛烈に迫って来て、そしてゆっくりと近づいた、地球と違って歪な形の
惑星だろうか? そこにゆっくりと着地した、

今まで見たこともない姿形の生き物が目の前を歩いている、ピアノを転
がすような音色で言葉が出てくる、私にはその意味が瞬時に理解できた。

それらは、一瞬の間に消えそして現れる、一種の瞬間移動がなされているのだろう !
何故だか分からない ?

エンジェルの声が脳に届く、
「この惑星は地球から500光年離れています、一旦生命が失われた星
ですが、無藻の地から5000万年前に再び蘇りました、」

「壮大な戦いと糸を針に通すような辛苦の末命の芽吹きを許されたのです。
傍若無人の限りを尽くした先住民が大きな存在から許されたのは、
何と5000万年の年月がかかったと云うことなのです。」

壮大なドラマー、目も眩むような景色と音響、いったい私は何処に居るのか?
これは、現実なのか! はたまた一瞬の幻なのか ?
私の思考は限りなく限界に来ていた、この目の前に展開する事象は何なのか ?

「ご説明しましょう ?」
「あなた方地球の人類は、長い間地球の覇者として君臨し過ぎました、
そこには他者、そう他の生き物達への慈しみの心さえ無くしてしまいました」

「狼藉の限りを尽くし人類同士の友愛さえもかなぐり捨て殺し合いに終始する、」
「自分達だけがこの宇宙に存在する、奇跡と勘違いして他に生命体は存在しないと
驕り高ぶり過ぎました」

「ここら当たりでリセットする必要が有るのではないか?
宇宙の意思を司る神々の思し召しが下されたのです」

「大宇宙の中の点、存在さえも無視されがちな星、ただ浮かぶだけの塵、
地球は限りなき0に等しい存在で在ることを自覚せよ!」
「その今後の生き方で消えゆく運命か、消滅させるべき星か決まるだろう!」

柔和だったエンジェルの表情は消えた !
「何故? あなたを招待したか ? 分かりますか !」

脳裏の一隅に、何事かを訴えるか弱気物の姿が見えた !
それは、私の住む一級河川重信川周辺で必死に生きる猫と犬の姿だった、
彼らは生きたい生き永らえたいとの願いも虚しく殺処分された運命の子供達なのである。
彼らの命のともし火を慈しみ、助けてやりたいと願う私への彼らの涙の訴えに依る。

エンジェルは宇宙から使わされた神の子、人間達の運命は自らの行いで
決まるだろう!
悪魔の申し子が核のボタンを押す、その結果焦熱地獄で地球は終わる、
それとも、良き指導者の英知を結集した努力が報われ危機を脱するか ?

「あなたは、どう思われますか ?」
そこで、エンジェルは得も云えぬ笑顔に戻った、
「もう一度、地底都市に戻って見ますか ?」

・・・・・
暖かい風が頬に触れた、目の前に花びらのない桜の小枝がそよいでいた、
足元の芝生が陽だまりに反射していた、いつの間にか雲ひとつない青空が、
天空を覆い尽くしていた。

私の幻想の世界があの始発駅から終着駅に到着したことを知った。

高度な文明を持った宇宙人から見た地球は、どんなものに見えている
だろうか、果たして意識される存在であろうか ?

その宇宙の中の存在位置、彼らから見る地球人の知能程度はどのように
認識されているのか、

或いは彼らよりもずっと低いものと考えるなら、我々人間が地を這う蟻を
見て軽く見逃すように認識される筈もない。

核戦争、大規模災害に意識を向けて来るなら空想の世界の宇宙人襲来が
現実として起こり得るかもしれない。

それは、人類の終焉をさすのか、滅びるはずの地球の危機が彼ら宇宙人に
よって助けられることになるのか、今、現在の人類では分かるはずも無い。

空想、幻想、夢の中に現れる宇宙人に想いを馳せるしかあるまい。

微笑むエンジェル、神の子エンジェル、キューピットエンジェルに私は
希望を託している。

陽だまりの中で 神の子エンジェル” に2件のコメントがあります

  1. 我思う、故に我有り。
    デカルトの言葉でしたか。果てしない空間、時。
    その舞台では我々人類はこの地球で高々百万年。
    人類の支配なんて芥子粒同様ですね。
    それでも私は此処に個性を持って存在しております。Sさんや久保師範も間違いなく存在しております。
    出来る事をやっていきましょう。
    互いに小さな小さな存在ですが方向性は同じです。
    共に戦いましょう。
    押忍

  2. 武道多聞さん、
    久しぶりですがお元気でしたか、椿さんの最後の日はとうとう雨になりましたが、
    しかし、二日は天気に恵まれて参拝客も良かったと思います。
    伊予路に春を呼ぶ椿さん、今年も良い年になりますよう期待しております。
    宇宙は、壮大な自然界のことは、日常の意識の中に持っていて、それに振り回されない
    事だと思います、私も現実と空想の区別はして人生を歩んでおります。
    そなえ有れば憂いなし、良いことを想像しながら、反面 悪い想像も心の片隅に
    留めることも必要かと。
    今年もよろしくおねがいいたします。
    押忍

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