広告
友情

男たちの挽歌 Zよ!

男たちの挽歌       Zよ!          

暑苦しい夏がようやく海の彼方へ去って行く、季節外れかと戸惑う豪雨と夏特有の日照りで日本列島は青息吐息だったがようやく最終章にたどり着いたようだ。

窓に吊るした風鈴が涼しげな音色を立てた、突然チャイムが鳴ってクロネコヤマトの宅配便、馴染みの配達員さんが和歌山からの美味しい葡萄を届けてくれたのである。

後輩Z夫婦の真心のこもった品だった、早速連絡入れると妻のSちゃんが出て来た、「お父さんは丁度買い物に出たばかりなのよ!」

この女房がいて旦那の人生は花開いたと言える !素晴らしい恋女房は私が後押しした夫婦でも最高に実ったベストカップルである。

長男は都市銀行のエリート街道、次男は事業家の道を進んだ一念発起組バランスの取れた家庭である。

旦那のZのスマホへ、ただ今スーパーで買い物中、自分の好きな物を気ままにお買い物、独身の身では考えられなかった男だが、女房が上手く教育した  ?

秋のお彼岸で帰郷の予定という、昨年に引き続いて昔の仲間5人組で再会を約束、このメンバーは私が1番年上、兄貴分Zが4級下、他の3人が6級下である。

このアンサンブルが最高に人生に潤いをもたらせて来た、このメンバーに忘れてならないのは、プロボクシングジム経営 (世界ランカーの2代目に譲る )のS。

この Sが加わればさらに最高であるが、彼は余りに高みに登ってしまい帰郷の機会が限られる、あの芦原さんとサシで付き合った男である。

彼は昔、俳優の故田宮二郎がボクサー役で主演した映画でスパーリング相手で画面に登場したことがある。

イケイケの硬派、その喧嘩の腕は他の追従を許さない、地元のチンピラがどれ程地べたに這わされたことか !スピード、テクニック、これぞボクシング! とにかく芸術品。

はるか彼方の港町で青春が爆発した、夏の土曜夜市、8月の花火大会 ! 冬の木枯らし、夜の町の角角で鉄拳が唸った。

Sの蛮勇に震える男達は多かった、仲裁も幾度となく、ボクサーの喧嘩はキツかった、一撃必殺!  気を緩められない、相手は一瞬で崩れていった。

常に加害者達がSの前では被害者になった !負けて知る喧嘩の怖さよ  !

不幸中の幸い!

Sと芦原は、微妙な差ですれ違ったが、四国と関西で交差した、そこには絶妙なノンフィクションが奏でられている。

因みに、

芦原道場の古参 IとこのZは「工業の I、八高のF」として当時の高校生の間では知らぬ者がない名物男として高校界隈を席巻した、「貴様と俺」の仲だった。

青春は痛みを伴って忘却に埋もれる、だが折々に脳裏をかすめて現れる。

男たちの挽歌は、 終わりを知らない         !?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

広告