どこの空の下
今どこにいる、終着駅は ?「井の中の蛙大海を知らず」類は類を呼ぶ、類は友を呼ぶ。
人生を長く生きると不思議なことに気がつく、少年の頃は悪戯坊主の考えが分からなかったのに歳を重ねて彼らの悪戯領域に達すると分かり出す。
人付き合いもなく引きこもりがちだったのに、仕事上、人と接するようになると見る間に世界が広がってくる。
小さな村の集合体から少し大きな町へ、そして広域都市圏に移ると見えなかった世界が見る間に拡大して現れる。
知識の習得、経験の蓄積は目を見張るようになる。
人は環境に左右される典型、それは多面性の芽生え、知識の習得にと移っていく。
一定の枠に囚われる人間は、外の大きな広がりを理解できない、「井の中の蛙大海を知らず!」それが、どんな副作用を為すものか、ことが起きて知ることになる。
以前、善悪を履き違えた詐欺師まがいが側にいた、渦の中にいる本人は、自分の立ち位置が全く読めなかった、悪い事をしている自覚に欠けていた。
側にいる常識人間は彼の異質さに気が付いて時折注意していたのに彼は相変わらず人から金を借りて被害を拡大していった。
彼Aに貸した貸主Bは、運転資金に困るようになり、その為、Aが別人から都合してBに貸す、そもそも
Aに貸したから困るようになったBなのに、以降恒常的にBは、Aを当てにしてやり繰りする事を余儀なくされた、おかしな関係である。
金銭感覚の欠落、被害者が加害者へ変わって行く、結局、収拾できず彼らは社会の歯車から外れていく、私が30代後半に見聞きした人間のおぞましさだった。
金銭の揉め事はAをそこに止める事は出来なかった、金融業者から取り立てを差し向けられた首謀者Aは忽然と姿を隠した。
何が原因で世を拗ねたのか、悪の坂道は栄華の舞台さえ消し去ってしまった。
幼い頃の純真、友から信頼された彼の転落は身の程知らぬポジションを与えられた事にあった。
彼は本当は悪の操り人間にしか過ぎなかったのだが、彼の過信、実力だと勘違いしたことにあった。
壮大な夢を見た男は、その壮大な夢ゆえに抗しきれなかった、実力が備わっていなかったのである。
腹八分目 ! 先人の教えがこれ程身にしみることはなかった、彼はどこで終着駅を見るのだろうか ?
警鐘 !
これぐらい ! ほんの少しの間なら ? 分かるまい !その驕りが ! 身を滅ぼす。
真っ当に生きることは贅沢はできないかも知れないが、
安心は得られる !?