雨が教えてくれる音色

雨の音ほど聴く者の心情に左右されるものはない。

公園に佇む男に聞こえてくる雨の音(ね)は、友の死、贔屓な芸能人の死を悼んで咽び泣いている。

車の屋根に落ちる雨が静かに遠慮ガチに耳に響く。

嵐に吹き舞う雨がまるで嘘のような嘆きの忍び雨、人の死を嘆くようにシトシトと想いを潜める。

ある時はドラム、そして時にはピアノ、バイオリン、空から降り続く雨が私の心を代弁する。

「雨よ！  どうしてお前さんは人の心が分かる、読めるのか！寄り添えるのか  ？」いっ時、気遣いの雨が降り止んでいた、虫たちのザワめきを残して  ！

勢いを増してその虫たちが私に問いかける、「くじけないで！ 悲しみはいつまでも続かない、笑顔を見せて、あなたの本当の強さを  ！」

雨の上がった公園に、再び涼を取る車が寄って来た、ひと時の安らぎ、力の源を求めて、ここにも同じ思いの人たちがいた。

河川を寝ぐらの犬たちの声が上がった、雨上がりの散歩道、ひとりの女性が愛犬を連れて通りかかった、ここにも一編のドラマが展開している、幸せふしあわせを供綱に   ！

昼のひと時、雨に教えてもらった人生模様、又、青空が見えるからね、勇気を出して。

雨が教えてくれるその音いろ　　　！？