長時間パソコンに向き合っていたので目が疲れた、時計を見ると
午後5時前になっていた、息抜きを兼ねて近くのス-パ-へ
買い物に出かけた。
夕暮れ時の店舗は沢山の車両と買い物客で賑わっていた、
自転車置場に屋根のついた単車が止まっている、ハンドルとサドル
の間に犬の置物が後ろ向きに見えた。
10分ほどの所要時間で買い物を済ませ店を出た、先ほどの場所
に来ると置物と思っていた犬が頭を動かした、本物の犬ではないか、
車に戻りいざエンジンを掛ける段でハタと思い出したことがある、
近所の集落でAさんが飼っている小型の愛犬を連れて散歩していた、
途中ちょっと目を離した隙に犬が行方不明になったのである。
犬好きの家族の悲嘆は辛いものだった、幸いなことに偶然その犯行を
見ていた人がいた、私の知人Bさんである、穏やかなご夫人で、心に
留めておけなくて私に打ち明けられたのである。
犯人は同じ集落のC、仕事もせず毎日ぶらぶらしていた、自転車で
町へ出る彼の道中にAさんの家が在り常に家族と愛犬を目にしていた。
私は持ち主に事情説明した、AさんはCを問い詰めた結果、幾らかの
代金で第三者に売り飛ばしていたことが判明した、無事愛犬はAさんの
元に取り戻すことが出来た、娘さん達の喜びようは言葉で表現できない。
そのことを思い出したのである・・・
その大型ス-パ-は夕方になると外国語が飛び交う独特な場所に変わる、
店内の〇〇売り場の女店員さんに聞くと、その単車は時々来店されるお客
さんのもので、いつも犬を乗せてままで買い物時間の長いお方と判明した。
不審者に連れ去られる危険を考えて私は店の前で犬を見張った、その時の
私の身なりがひどかった、だから訊ねた店員さんには名刺を渡して身柄を
説明した。
気がついて約50分、犬が何かに反応した、小柄な60代後半のご婦人が
単車に戻られた、私は近寄って名刺を手渡し事情説明した、思いもよらぬ
私の説明にご婦人は驚かれた。
愛犬が連れ去られる危険を指摘して善処をお願いした、
深深とお辞儀をされる御婦人を見て、愛犬の安全と今後の幸せを確信した。
不幸は知らぬ間に忍び寄る、されど幸せはあっという間に通り過ぎる、
受け手の心構えひとつで掴むことが出来るというが、さてあなたはどうで
しょうか ?
夕闇が辺りを夜に変えていた、
我が家のワンちゃんの事が思い出された、早く帰らなくっちゃ ?
幸せは、長い道のりの向こうにあるようで、実はそこに待っているのです。
愚痴も言わず女房の小春、幸せは足元にこそ与えられるもの、苦労掛けた
女房にご褒美を、そういう私しゃは ! まだまだ先だね、恥ずかしい !?