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行政書士

雨の午後

10月も終わりにさしかかり身辺が慌ただしくなって来た。
朝からしのつく雨がカーポートの屋根を叩く。

恒例の犬の散歩、
家中で羽を伸ばす我が家の娘達はその様に後退りをした。

寒さはそうでもないが雨が事の他苦手である、
それでも横の畦道で小の方をサッと済ませて家に駆け込んだ。

人間の世界ではそれを称して「箱入り娘」 と言う。

私の話し言葉をジッと見つめて聞いている、
何かを必死にカギ取ろうとして ?

「CCちゃん、お仕事行くから家で待っているよ」
淋しげな表情をするが、すぐ諦めて座布団に顔を埋めた。

役所で数件抱えている申請書類の確認、
窓口の担当職員始め副主幹まで出て来て丁寧に説明して
くれた。

年を取ると人の情けが事のほか嬉しい。

馴染みの喫茶店でランチを所望、大盛りのかつ定食だった。
食後のホットコーヒーが香しくて美味しい。

静かに降る雨が仕事に詰まった脳を癒してくれる、
バックのピアノ曲が絵も言えぬ風景を映し出して慰める。

時は、秋、
社会の騒音は、ここまでは届かない、ひと時の休息に
命の洗濯、

携帯が鳴った、昇進試験に合格して県外の学校に行っていた
逞しい青年が任務を終えて帰って来た。

治安を司る陰の勇者、
社会の安全はひとえに彼等に掛かって居る、 敬礼。

時間が雨の旋律に流れて行く、次の予定が迫って来た、
今日も忙しくなる、まだ 午後2時だよ !?

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