季節の移りの中で記憶から遠ざかったが、どうしても忘れられない男がいる、私は仕事の為に、ある役所の裏道を歩いていた、それは人影の途切れた午後の事だったように記憶している。
私より20mほど先を小柄だが肩幅のがっしりした紳士がス-ツを見事に着こなしてややうつむき加減で歩いていた、寂しげな「うしろ姿」から悩みでもあるのだろうと気に留めた、良く知っている男だった。
その少し前、大役を務め終えた彼は一般席の人となった、年長者の強面理事たちでも気迫に押されるワンマンリ-ダだった、私とは対極にあった男である。
その強い指導力は先代の薫陶によるところが大きかった、私にとっても手ごわい相手である、その影響力は今に続いている。
今我が組織は近代稀な混迷に陥っている、執行部の指導力弱体化が怪文書として一般会員に示されている。
それは理事会内の対立も1つの原因かもしれないが、大きな要因は会員への締め付け、処分問題の厳しさと、その不透明さにあると言っても過言ではない。
会長側近には常々「ほどほどにせよ!」と意見していたのだが彼らはそれを聞き入れなかった、(今に想定外の反発が起きるだろう ?) 私の予想は現実のものとなった。
特に指摘していたことはホームページへの処分者公開、私はそれを「さらし者」だと苦言を呈した、側近は「連合会もそうしている!」と強弁した、会員への温情は一切なかった。
若くして役職に就いた人間は往々に情味の欠陥が見受ける、良い機会なのだ、この現状打破のために怪文書が登場したのだ、私は怪文書の効能をそのようにとっている。
理事会機能不全ほど会にとって不幸はない、会長に指導力とその意思があるかどうか、その内結果が出るだろう。
会長側近に意見具申するものはいるのか、お説の通りで追従するだけなのではなかったのか、会員の不信はそこをついて問うている。
男のうしろ姿、
懐かしい男が私の記憶から蘇った、彼だったらこの混迷をどのように手仕舞いするだろうか、強気の中の弱さを併せ持った男だった、まず、側近の意見を真摯に聞くのではないだろうか !
身体の不調を聞いて彼への敵意は消滅した「いつまでも元気でな !」時折目にする度に彼と家族の幸せを願う私がいる。
ところ変われば意気投合した私達であったはずである。
師走に入ってコロナの嫌な話がぶり返す、人間の英知はこの魔物を克服するかどうか、世界が試されている。
空っ風が私を急かす「Sよ ! 何かすることないのか ?」老体をムチ打って飛び込んで来る電話、メールに対応している。
我が会は素晴らしい人材がひしめいている、世代交代の機運なのだろうと私は受け取っている。
古参会員の文書の中で会長になる資格等を滔々と述べているが、私はハッキリと異を唱えておく「会員だったら誰が挑戦しても良い!」憲法は厳然と平等を謳っている。
資格を説くのは僭越であると思いませんか・・・
男のうしろ姿、
もう一人忘れられない男の背中がある、現役続行中だが病の噂に私は心を、痛めている。
母との思い出を語ってくれた奴 ! 理不尽な先輩の嫌がらせに耐えた男、
男の背中、その うしろ姿、女性たちの弧線を振るわせるに違いない。
1度目を世界へ向けては見ませんか、日本存亡の危機が見えて来るだろう、あなた方はそれで良いのですか !
うしろ姿 私の明日の姿でもある !?