あとは登るだけ
よりによって正月元旦と言うに何たる失態、馬鹿だね ?
私は、暮れにし残した電灯の掃除を始めた、と言っても軽く拭く程度のものだから最後の廊下の電灯の下に脚立を構えた、その部分だけ廊下の板の表面がもろに出ている。
脚立に乗って電球に手を差し出した瞬間脚立が突然開いて落下、これは顔面に直撃する、一瞬右肩をやや下に構えたど~ん! が~ん !である、衝撃が身体全体へもろに来た、ここに落とし穴があった、脚立の留め具を外していたのが失敗の元、まさか滑るとは、安全軽視の何ものでもない。
「ううっ!」ほんに馬鹿だね ! 正月早々と言うに、これも歳のせいかい ? 誰ともへなく呟いた !
その夜は大したことはなかったが翌る日から痛みが右肩全体に来た、右足のふくらはぎ、小指の付け根、一瞬の判断が全身への衝撃をそらした。
ことに臨んで、まだ反応する自分を褒めてやりたい、暴漢に刃物で咄嗟に攻められても、どうにかカワセそうだ ?
脚立の高さは1m、その落下に要する時間は1秒あるかどうか?その間の思考と反応、この歳では、まずまずではないか !
世の中騒々しい、私の身辺も風雲急を告げている「あの野郎!」と常々思う人もいるやも知れない、現に決めつけた誹謗中傷も耳にする。
「私は相打ちの男 !」この近くも言ったことがあるようなないような ? 冗談で済めば結構、本当になれば、それは悲劇 !
身に起きた小事を、多角的に思い巡らす男って何 ?「お主若いね !」上の方から苦笑が漏れた ! 怖いお人の声 !
仕事が追い込んで来た、集中力が試される、一旦世事を忘れてパソコンに集中、やるっきゃない、男の花道はあとわずか ?
オイラ (私)の運、あとは登るだけ。
どんと行きましょう !?