歯車
小さな歯車が大きな歯車を回しながらものは動く、何気ないこれらの動きだが物凄ことを成し遂げている。
私はひとりの男を思い出していた。
ケレン味のない実直な奴、他の奴にはない存在感で中学柔道では八校へ進んだKと双璧をなす三四郎だった。
高校入学の席順で彼は私の後ろの席へ座った、前は長男を弁護士に育て上げたU、三四郎の名はOと言った、この3人は現在に至るも竹馬の友にして刎頚の友で歩んで来た。
この私を知り抜いたOが「お前は、・・・必ず ?」と言い放ったことがある、
それ以降、私は、たとえ激する時があろうと彼の言葉を思い出して荒ぶる心を抑えて来た。
裏も表も知り抜いた友は何ものにも代えられない、2人ともあちこち身体も故障がちだが元気に故郷に根を下ろしている。
特にOは、独身時代が長かった為、私の店へ毎晩のように来てくれた、それだけに何人分の回顧録が残されている。
本来なら農協トップに座る筈の人材だが、欲のなさと、頑固な一面がある為、地元の大久保彦左衛門で満足している。
コロナ一掃の暁には、真っ先に逢いたい男達である、沈着冷静、柔道漬けで青春を闊歩した、柔道と空手の絆は少しの揺るぎもなく続いている。
「O !・・・」 「U !・・・」 男の友情とは何だろうね。
歯車、たとえ小さな歯車であろうとその一つが欠けてもモノは動かない、! その存在感に比べて能力はこれ又すごい !
まるでOの存在感を思い出すようである、歯車に感謝 !?