うだるような暑さ
この近日来の猛暑を故郷の人々はそう呼ぶ、
「暑いな! 暑いな !」
そんな形容詞では襲いかかる陽射しを言い表せない。
「たまらんの!」 「ビールがうまい !」
さすが夜の街へ出てゆく元気はないがため息が止まらない。
地球温暖化を言われて久しい言葉だがこの夏はことの他身に染みる。
家から一歩出て車の乗り降りだけで身体中が熱気に包まれる、エアコンを強にするも車内にこもった熱風にはお手上げ。
ちょうど車検の時期と重なって整備工場も修理台数に代車が対応できない、そういうところで家で大人しく自粛している。
特に私にとって堪えるのは、信頼しきった竹馬の友の死である、ぽっかり胸に穴が開いたような虚無感、日常の全てが虚しく反応できない、悪い方に意識が向くのである。
どこかで心の切り替えが出来るはずの楽天家の自分だったはずなのに、友との別れの後はどうしても心の切り替えが止まった。
「Yさん! Yoやん!」 と呼び合った仲! 毎日が憂鬱でいかに彼との絆は強くて暖かかったことが分かる。
遅まきながら自分への嫌悪感、身勝手な天狗野郎だったか分かる、人生最大の試練が黄昏迫る晩年に来るとは、予測できなかった。
ただ救いは、空手道に燦然と輝く伝統流派の空手道部元キャプテンの健康への復活である、病魔に侵せられながら見事復活を遂げたのである、
「日曜日退院します!」 彼のメールは私への何よりの激励となった。
今一度底なしの沼へ転がり落ちて、そして諦めず正義の男たらんと駆け上がった勇者の姿、胸に刻め、私への何よりの叱咤激励である。
「Yさん! 落ち込むのはやめるよ! もう一度頑張るよ! それからお前さんとこへ行くよ !」 友へのメッセージである。
今日は車検で車がないため一日中家で過ごした、どうしたか? 何をしたか、後回しにしていた申請書類の作成と整理である、これで結構時間潰しができた、中断していた作業をこなしたのである。
今の自分に何が必要か?
「意欲! ブラックホールはダメだぜ! 太陽だぜ !」
宇宙への誘い! 今宵足元が揺れた、地震&津波、太平にあぐらをかくな。
うだるような暑さ !?