「ご本人・ご家族の頑張りがあってこその御利益。」住職夫人はそのように仰って頂いた。
私の友と知人が大変な病で入院した、家族にとっては藁にもすがりたい心境、日々が嘆きの連続だった。
私が親しくお付き合い願っているお寺さんに相談して病気平癒のお札をいただいたのである、
治療を受ける病室でお札は患者の苦しみを見守った。
時間との戦いに間一髪、薬石効あり病状は回復に向かう、その上、本人の信心と真心が天に通じたのである、人間の限界を越える不思議な力が働いた事は否めない。
相前後して東京と愛媛の二人は退院する事ができた、「奇跡」家族はそのように感動した、私に向かってお礼を言う家族に私はこのように述べた。
「家族の真心と本人の真摯な生き様がこの奇跡を生んだのです、与えられた命を大切にしてください。」
退院の日、人を寄せ付けないようにそびえる白亜の殿堂が慈愛に満ちて輝いていた。
十数年前の私の姿、途方にくれたガンの宣告に私は黙って耐えた、眼に映る風景がセピア色にくすんでいた、それと同じ立場に彼らは佇んでいたのである。
昨夜、その友から嬉しい電話がかかって来た、在阪の息子が医大生の孫とこのお盆に帰ってくると友の声は弾んでいた。
沢山の人と出会うことは争い事を招くことだが、その反面、苦しい時の神頼み、救い人との出会いでもあるのである。
私はこうして反面教師の先生達と知り合うことができた、私が相談する南予のお寺さんは奈良の東大寺の末寺さん !住職夫婦とのご縁が病気で落ち込む人達を救うことになった。
この今も、私の横で病気と闘う人がいる、私の出番は最後の砦、家族の悲しみに寄り添うことがガンから生還した私の恩返しだと思っている。
「病気平癒」
「ご本人・ご家族の頑張りがあってこその御利益。」
住職夫妻の優しさが患者さんの嘆きを救う、今日も寺を訪ねる人の波が絶えない。
この他人との出会いが開かずの扉を開けるのである !?