「勝って兜の緒を締めよ」
「これで死ぬことはない」
「ところ変われば品変わる」
「なでしこを見よ」
「朝の来ない夜はない」
そう言いながら二人の男は笑いあった、長期展望、そうだよね !?
そこには、いっぺんの陰りもない、
中国を見れば分かる、彼らには短期計画より長期展望が優先される。
地を這う長期戦、決してあきらめない、そのスパ-ンの長さに驚愕する。
代をつないでバトンタッチ、バトンリレ-、まだ緒に付いたばかり、
「今に見ておけよ」その言葉に「元気だな!どこからその勇気が湧いて
くるの ?」 友が驚嘆した。
何のことはない・・・
反発心を鼓舞した事象が有ったということである。
物事は、程ほどにしないと、挑発がとてつもないエネルギ-を生む、
「やぶ蛇」
「寝た子を起こす」
姑息な手段は、それゆえに敗北にいたる。
「身体を休めておけよ !」
仕事に向かう友が、そう言うと気合を入れて車に戻った。
この自由は何物にも代えがたい、神の思し召しそう思えば気も楽になる。
彼は、タバコの煙に眉をひそめながら天を仰いだ !
次の約束が待っていた、
約束と言うよりも相談を受けているその相手の事務所へ向かうのである、
雑多な集まりは、想定外の諍いを生む、現にそんな問題を持ち込まれた。
「やれやれ、自分達で解決してくれよ、よりによって俺に相談なんて ?」
街路樹の陰から、赤い単車に乗った郵便屋さんが顔をのぞかせた・・・
「お出かけですかちょうど良かった ?」
硬い役所から封書が届いた、先日相談を受けた年配者の自宅を訪ねたが、
急いでいたものだから駐車違反に引っかかったのである、その通知だった。
(人助けも大変だ 無料奉仕がアダになった まあ いいか ?)
しかし、痛いな、一年間禁煙のお仕置きだよね、
お天道様が、まだ お許しになっちゃくれない ? もういちど下足番、
口害の付けは、ことのほか大きかった。
バトンリレ- 大丈夫かな ?
受け手が、まだかまだかと 待ちくたびれている ?
「〇さん、〇〇君 あくびしていたよ ・・・!」
「何処で ?」 「あの橋の袂で!」 「 ・・・ ???」
梅雨の晴れ間、穏やかな風が 街路樹の枝葉を 揺らしていた、
平和な7月の昼下がり。