崖っぷち
人はいろんな場面で崖っぷちに立たされる、追い込まれると言うべきか、私等しょっちゅう経験して来た、そこにその人の経験と心構えが生きてくる、踏み止まる度胸と脱出方法の有無、
よく「修羅場をくぐる」と言うがまさにそれ、苦労のない人に、その方策は浮かばない、踏み止まる事などできようか ?
人間関係で表すとすぐ泣きを入れてすがってくる、他力本願で事を済まそうとする人間に自力脱出は到底できる話ではない。
私が以前、畑から足を踏み外して下の段に落下した時、数秒の間の対処法を振り返ると可笑しさがこみ上げてくる。
横の枝を掴もうか、いや下は栗畑だからこのまま落ちても大丈夫、落下する目に石垣下のコンクリートの地肌が目に入った、枝を掴もうと身体を捻っていたから、ああ!これでは腰が危ない、
捻りを戻すあまり腰は良いが頭の対処が間に合わなかった、衝撃が首に来たのである、落下の数秒に考えたこと、今振り返っても下のコンスリート面がズームアップで蘇る、
時間よ止まれ! 時間はスローモーション ?私の実体験からくる発見だった、
これと似たのが男同士の殴り合いの乱闘シーン !
こちらがまだ弱い時は、普通の男の拳でも早くて避けられない、ところが、強くなると喧嘩自慢の得意のストレート、アッパーがそれこそスローモーション ? 拳が止まって見える。
「オイオイ ! そんなパンチでわしを倒せると思うのかえ ?」空手仲間が言うように、何発でも殴らせてやろう、チャンスが来れば一発で決めれば良い、そうして友は実践した。
拳よ泣くな ! 反撃の時間は有り過ぎる ? もう少し待て !拳よ自惚れるな ! 強い男はいくらでもいる ? お前のパンチなど効くはずもない、自信と過信、それを選ぶのは おまえ !
不覚を取る、自信過剰野郎がたどる道、だから言っただろう ?世の中強い奴はワンサといる、自惚れるなよ、命がないぞ !
いじめっ子といじめられっ子の立場が逆転する、窮鼠猫を噛む、人間界に往々にある、人生を舐めるなよ ! 弱者をいじめるな !
一人になった時お前は踏み止まれるか ? 仲間がいなくとも勇気を!出せるか ? 壁を背にして多数を!相手にできるか ?
崖を背にしたお前、俺がいなくても、踏み止まれるか ?目もクラム谷底が口を開けている、助けはいないお前ひとり !
経験だけが、お前の味方、丹田に力を入れて立ち向かえ、腹を決めよ ! 欲を吐け ! 拳を握りしめよ、うまい酒飲もうぜ !?