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友情

片道切符 男がひとり!

片道切符 男がひとり !

(敬称略)

別のブログで述べてみるが、私は文系、体育会系、武道の求道者と気が合う、若い頃芦原空手を習っていた姉の長男、甥が松山へやって来た、高校を卒業して松山で就職していた頃の話を聞かせてくれた。

坊ちゃん劇場の近くにあるマクドナルドで落ち合った、夕方に近い時刻は客足もそぞろでゆったりと談笑することができた。

芦原道場へ入門して間もなく、道場で基本稽古をしていたら、芦原先生がその形は他流の構えだがどこで習ったのか、と聞いて来たそうだ。

私の名前を出して答えると笑顔を返して来たという !

私の喫茶店開業、芦原の空手バカ一代のブーム到来でお互い疎遠になっていた時期でもある。

彼は他の空手家とのいきさつもあり、お互い多忙を迎え次第に遠ざかって行く過程でもあった、他人が仲に入ると誤解も生じる多感な年月に入っていた。

多くの弟子を教え、日本全国に「芦原会館芦原英幸館長」が浸透して行き人気者としてクローズアップされていた、その頃の芦原の甥への問いかけだった。

私の名前を聞くと、彼の態度が変わったと言う、いろんな人のいろんな中傷は、どの世界にもあること、私への妬みで彼に曲がって伝える人間がいても不思議ではない、その頃のワンシーンである。

感慨深げに遠い昔を懐かしむように甥は振り返った、多勢の中の1道場生への芦原先生の話掛け「どうだった  ?」機嫌を悪くしたかと意地悪な質問を投げたのである、

ところが逆に親切丁寧な指導をされたと言う、甥の感激は言うまでもない  !芦原さんの個性が垣間見えた一コマである、

別ブログで述べた、杉の子へのチンピラの無礼に電話をかけて相談した家内への回答 ・・・

「話をつけておきましたよ !」彼芦原の人間性が見事に現れている、悪い面を多く吹聴される人気者、その陰で温もりのある一面を彼は持っていた、

ブームの前は食えない時代が続いた芦原である、古い木造二階建てのアパート住まい、私はひとり彼を訪ねて彼の本心を引っ張り出した、見栄もハッタリもいらないジプシー空手、素朴な江田島の空手青年がそこにはいた。

道場破りにどう対処するか ?  手製の手裏剣を手に取ってその気迫を見せた芦原 !私の追憶に出てくる彼は素晴らしい男である。

独特のイントネーション !  どんなに貧乏して腹を空かしても彼は弱音を吐かなかった、毅然としていた好漢芦原英幸、上杉の交遊録に出る彼は最高の男である。

「上杉さん! 漫画見てくれた  ?」空手バカ一代大ブームを!迎える直前の彼  !食堂前で彼は私に語りかけた、

令和4年、JR松山駅の近くに芦原英典二代目館長の芦原会館竣工のニュースが流れた、草葉の陰で男泣きする英幸初代、私の追憶に彼の目が泣いていた。

「芦原さん、英典君がんばってるね !  良い男になったね  !」

天空をかける夜行列車、片道切符を手にデッキに立つ男がひとり   !

それは、二代目の成長、家族の安泰、自身の居場所を見定めた芦原の姿であり、

彼にもう一度会いたい上杉の幻影でもある。

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