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人生, 思い出

3・3・かぶ島会 雨

3・3・かぶ島会  雨

激しい雨がこれでもかと叩きつけて人間を嘲笑うように下流に急ぐ、自然と人間の調和を嘲笑うように情け容赦もない。

雨上がりの陽だまりの中で物静かに模型を手に取る友がいる、若くして親を亡くし孤独に魅入られた世捨て人、私の自慢の学友で有る。

「雨が治ったら、またRへ行こう !」私の励ましに明るい声が返って来た「分かった !  待ってるよ !」

私達がよく利用する顧客の多いカフェ、客層の上品なことで知られている、彼はマスターお気に入りの品のある上客である。

数年前に最愛の妻を亡くし子供達も親元を離れて別世帯、未だ孤独に惚れられる友で有る。

昔の人は一途な恋心を胸に潜ませていたものだが、彼の場合は童心を今に引き継いでいる、初恋のきみへ純愛を健気にも貫いている。

私にも鼻にツンと来る想い出はあるが、彼のような純粋な恋心は望むべきもない、この点は彼に遠く及ばない、完敗である。

小学校一年生から中学校の三年生まで共に学んだ同級生、すいも甘いも噛み分けて風雪を耐えて来た。

今彼は昔を思い出しながら海の向こうを偲んでいる、生活の糧にして来た海を懐かしみ模型作りに没頭している。

一声かければすぐ行ける近距離に住んでいる、外国航路の海の男、二度と現れない男女混合の友たち、3・3・かぶ島会に乾杯  ! 

3・3・かぶ島会  雨   !?

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