世の中さまざま
ここに嫌になる程自己主張する隣人がいて、その隅の方では、世間の風を避ける人がいる。
「Sさん、あんたはどうなんだい」口八丁の熊さがニヤッと笑って聞いてきた ?
「そう言われてもどう答えて良いか分からんね、」あたしゃしかたがないからそう答えた。
それを笑って聞いていた八っつんが助け舟を出した、
「人それぞれでいんじゃないかい」「無い物ねだりしても仕方ないべえ!」 座は治った。
自己主張も度が過ぎると嫌味になる、大概にしなよ !熊さんは、苦そうにお猪口を口に運んだ。
不満たらたらなのだが苦手な連中に座は占領されている、ここは、こんちくしょうだが我慢するか ?
ああ言えばこう言う、腹の曲がった人間に会うと私などは黙って引き下がるか表面は同意を選んで逃れる。
見ていて、負けず嫌いもなかなか大変だ、あまり勝ち負けにこだわらない私は、若い時代から若年寄りと揶揄された。
結局それでいいんだと気がついたのは還暦過ぎてから、前に出るより下がって見ると世の中が良く見える。
怪我の功名、待てば海路の日和あり、日本語には良い言葉がある、先人の知恵、現代人は、もっと先人、先祖の知恵を見習った方が良い。
そうする事で心が豊かになる、自分を育ててくれた国が誇りに見える、もう一度隣人を見直した方が良い、自分にないモノをその人達は持っている。
もちろん!熊さんのような人も結構いるから、全て見習う必要はない「ごめんなさいよ!私にその趣味はござらぬ」
「これで良いのじゃないけえ ?」
そのうち女房に三下り半突きつけられても知らんぞええ ? 自己責任で願います。
おまえさんの知らぬ間に女房の様子がへんぞえ !大丈夫かい!
世の中さまざま !?
杉の子さん。
いいですねえ。うなづきながら、読ませていただきました。しかし同じことを聞かされても、そうはなりません。苦労して、世の中の酸いも甘いもわかった人の言葉だから、心に伝わります。
これからも、よろしくご指導ください。
onecat01さん、
西洋かぶれ、先の戦争に敗れた日本は、節度を横においてアメリカや西洋文化に染まりました、それはそれで良いのでしょうが道徳という日本固有の観念まで見失う始末でした。
場末の映画館で東映、大映時代劇に歓喜した少年時代を過ごした私は、江戸文化に拍手して育ちました、飽食の裏返し、遠い江戸のお話に興味が惹かれるのです。
「熊さん、八っつあん!」 呼びかけると「アイヨ!」と答えるお人好し !
私の憩いの一コマ、江戸は八百八町の桜並木、隅田川辺りの散策、風流ですね。
時代を超越した物語、唯一の息抜きなのです、今度あなたの庭にお邪魔して心の内を残しておきますよ、無理をしないで、奥様お大事に、あなたにとって唯一の味方様です。
杉の子