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人生, 思い出

荒くれ者が泣いていた

荒くれ者が泣いていた

荒くれ者の話が続きますがごめんなさいよ、

その土地土地には歴史に根ざした気風がある、こどもの頃の純粋さが色濃く残る、大人になっても郷土愛、男たち最大の後悔、親不孝 !

報いることが出来ず苦労ばかりかけた両親、特に男はお袋への懺悔、死出の旅がそこに来たと言うのに、お袋の泣き顔を思い出すと胸が痛む !

「親孝行何にもしてやれなかったものな、泣かしてばかりだったよナア!」

大の男がそう言って目を赤くする、私の周囲にはそんな男たちばかりである。

「Sさんは、どうだった?」 「・・・振っくれるなやもうバカが。?」

思い出の向こうで腰の曲がったおふくろが泣いていた  !(何にもしてやれなかった、親不孝ばかりだったもの、なあ !)

女房の身内に反対され古アパートの4畳半で親父お袋と差し向かい ?

子供が2人、下の子ができた時は最悪の試練、その仏壇で涙が止まらなかった、今その場面を思い出すと胸が締め付けられて涙が流れる。

「いろいろあったものなァ !」

いろんな男たちを見て来たが、皆一様にお袋には弱かった、男伊達の世界の野郎たちさえ人前では粋がるが、お袋さんを私に語る段になると泣いたものなぁ!

最大の悔いは「使いきれない銭を握らせてやれなかった事が辛いね !」

男達にとってお袋は慈母観音である、私の師匠は両親を語るだけで目を赤くする、心で泣いている、それを見て私は学習して来た。

凄まじい殴り合いをして来た野暮な奴が、わんわん泣いたことがある !

「Sさん! もう一度お袋に会いたい !」

そう言った男はその後間も無くして死んだ、事故だった。

「〇〇よ! 天国でお袋さんに逢ったかい ? お前さんに逢ってくれたかい !」

そう言う私も泣いていた。

「もう一度、親父お袋に逢いたい !」

強がりを言っているあの野郎が、女房の前でベソをかいた !

冷たい寒気が列島を吹き荒れている、ある小さな公園にも雪が舞った、

車の中で小柄な男が鼻歌を唄っていた、 

♪ 海の匂いのお母さん 鳥羽一郎 cover 木村徹ニ  

作詞: 田村 和男 

作曲: 船村 徹

荒くれ者が泣いていた   !?

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