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雑談

母と子  あの日  天使の館で

昼間の穏やかな風情から想像も出来ない程の急変で
荒々しい突風がカーポートのアクリル天井を揺らす。

どこにこんな人間の肝を冷やすような猛々しさが有るのか、
この地方独特の霊峰石鎚山からの石鎚降しが、吹きすさぶ。

河川敷にひっそりと蠢くか弱きもの達が小さな悲鳴を上げる、
それでもしばれる冬の寒さは遠ざかり、陽光さんざめく夏が
そこに来ている。

夕食後のひと時、書籍やパソコンに遊びのドアを開いてみた、
2012年09月30日の日記 別ブログに「母よ」 でひとり言が
綴られていた。

もう忘れかかったブログだったが、先日の電話の主が一瞬
頭をよぎった「ああ!奇遇だ ? 彼の事に触れていたんだ?」

飲みかけのコーヒーカップをおろしてパソコンの画面を凝視
した !
あの5年前のあの日の天使の館が鮮明に浮かんできた。

天使の館は、午後のひととき、それも穏やかな たおやかな
音楽の調べが奏でられていた、この店はピアノ曲が多い。
私は、友と楽しいお茶会を迎えていた。

少し離れた別テ-ブルに、50代と思われる清楚な女性が
女友達と和やかに談笑されていた。

その日は台風の影響で風を伴った雨があがり、垂れ下がった
雨雲で辺りは薄暗くなっていたが店内は落ち着いた明るさが
漂っていた。

何時ものとおりの時間が経過して店内は落ち着いた雰囲気を
醸し出していた。

目の前を女性が横切った、先ほど一瞬目にした女性の横顔が
通り過ぎた、レジ-に立つその人が自然に私の方を向かれた。

ああ! 思わず声が出そうになった、私の組織のある会員に
良く似ていたのである、
悪気はないのだが早とちりで気が強い、若い彼を私は何故か
気になっていた、粋に感ずるものがあったのである。

奇しくも私と気の合う県庁OBも彼の事が気になるようで時々
話題に乗せていた、類は友を呼ぶ! 私は密かに期するものが
あった。

母と子、一度だけ彼が母の事を話してくれたことが有る、
その母は関連の会社で勤められていることを彼から聞いていた。

それにしても、似ているな ! 私の浪花節が首をもたげた、
彼は私と共通して母が大好きなのだ、母恋しい! 男なのだ。

私は大勢の兄弟姉妹に囲まれて育った、だから些か母の愛に飢えて
いた、弟達に母を取られたと思っていたのである。

弟たちがいる長男の彼も、私と同じように母の愛を弟達に譲ったに
違いない ?

彼のいじらしい胸の内が分かるような気がしていた、
だから、突っかかってきても
憎めない息子のように思っていたのである。

以前、偶然彼とこの店で一緒になったことがある、
レジ-を済ませる時に、先に出た彼を指して「私の息子ですよ !」

レジ-を打つ天使さんが 「ええ! そう言えば似てますね・・・」
と答えた、

本当の親父が ( 他人の息子を勝手に取るな!) と怒るぞ ?
私は、思わずそう思った・・・? ( ゴメンよ !)

天使の館はそんなキュ-ピットが天井を舞っている。

別ブログ「母よ」はそんなロマンを抱かせてくれた。

風が少し止んだようである、親と子の物語は、続いていく !?

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