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日常生活

閉塞感を打破せよ

閉塞感を打破せよ
Sさんなら、何かやってくれるのではないか ?
ひとりふたりからそんな声が聞こえ始めたという、

ある友と出会った時、彼はそう切り出した、
ある組織の話である。

出来るだけSは組織のことに触れずに来たが、
沈黙を破るのも致し方ないかと思うに至った。

組織を構成する人間は、懐に余裕のある兼業者よりも
専業者の方が多い、しかし、悲しいことにそれらの人は
押しなべて仕事が少なく生活に汲々としている。

どうにかしなくてちゃぁならんね、
Sの義侠心、底辺に目が行く生来の性格がふつふつと燃え
始めたのである。

経験が長いというだけで評価されるというものではない、
何をしたのか、何をなさしめたか ?

耳障りの 良い 言葉は要らない 行動で示せ。

期せずして、公約 マニフェストが同じになった、
しかし、4年の任期が終わる者と、これからの者のそれが
同じ評価である筈がない。

今まで何故できなかったかと言うことになる、

相手のことはどうでも良い己は何をすべきか、このことを
考えるべきなのである。

代わり映えのしない景色と、一味違った景色のどちらが
辛酸を舐める人間にとって救われるか、考えれば分かる。

時代は動いている、助けを待つ人が居る、
船は岸を離れたのである。

Sさんなら何かやってくれる、この苦境を救ってくれる、
じゃあ! やらしてみるか、託してみるか !?

そんな声が出始めた、
男なら、やってみな ! 火中の栗も拾ってみることだ !

その代わり、希望が失望に変わったら、反動は大きいぞ、
友が、そういって肩を押した。

閉塞感を打破せよ !
Sなら やってくれる !  Sに、やらしてみるか !

城山の登り口に 人影が見える
辛酸と言う荷物を背負った男が もくもくと足を運んでいた。

まるでSの前途を暗示しているように希望の天守閣を目指して、

城山の上に 大きな入道雲が手招いていた。

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