年度末の押し詰まった某日
年度末の押し迫った某日、僚友A君と彼の助手席に同乗して目的地に向かった、 総勢8名での打ち合わせである。
月日を重ねての調査研究もギリギリまで結論が出なかった案件である、計画は数千坪に渡る大きな規模である。
土地の形状、種類、地目、面積、周囲との兼ね合い等検討は 多義に渡った、 経験の浅い人、知識が追っつかない者には困難な計画だった。
今までの私はもっぱらの聞き役に徹して来たが、企業の側に立つと時間は残されていない、参加者の検討案を聞いていた私は、ある閃きに小躍りした。
経験、経験則、私の大事な胸の内の金庫から声が聞こえた、「タンスの引き出しを急いで開けて、有るじゃない?」
実際の土地の規模から言えば狭いのだが、上記述べた土地の種類、地目その他妙案が 閃いたので有る、私は他の者にわからないように小躍りした。
(決まった、案が湧いたぞ!)正月明けの再集合に発表することにする。 「よし!」
この計画が実現すれば、行政主導ではない民間主導の計画では稀有なものになるだろう。
後のない私に取っては最後の置き土産、若い他の者にとっては 明日の希望 !
名と実のある記念塔、輝かしい未来が待っていることだろう。
今年の年末ほど、慌ただしく困難な時はなかった、喜怒哀楽が交互にやって来て健康を損なったことを正直に白状する、友が心配して彼の主治医を紹介してくれた。
本筋では私の主治医と診たては同じ、諸々の診察結果は満足するものだった、私の主治医の名医ぶりが実証された、自分の事よりもそのことが嬉しかった。
これで引き続き懸案事項に取り掛かれる、チーム一丸となって取り組める、ナイスだね、
「Sさんたちが取り組んで実現した。」・・・
私を知る者たちが酒の肴で語り合うかも知れない、その頭上で涙ホロリの私が覗き込んでいる。
全体像は企業秘密でご勘弁願いたい。
ここで、私の人生とは、人間関係の綾とは ? 振り返ってみよう・・・
真面目に生きた証は、苦労・辛抱の後に誰かが手を差し伸べてくれる、究極はお天道様、
私の邪魔をした者たちの行く末・・・それには触れない、他者の不幸を私は願わない、
運命は全て己に帰すからで有る。
何人からメールが入り電話がかかって来た、
肌に触れる空気は冷たいものの見上げる空は青一色、「お天道様ありがとうございました、良い一年でした、新しい年も恥じない生き方をいたします。」
「たとえ辛かっても決して投げないで、子供達、家族のために耐えてください、素晴らしい希望が湧いて来ますよ、押忍。」
年度末の押し詰まった某日 !?