世の中の無情を嘆く前に
世の中の無情を嘆く様に空一面雨雲が垂れ下がっている、突然襲われた暴挙に抗する事もできず打ちの召された人々、テレビの画面は淡々とその事実を映し出していた。
今生の別れがこの様に無惨になろうとは、胸張り裂ける思いで私は立ちすくんでいた、何故にもこれまでに、これほどに、善良な民を追い詰めるのか。
自然よ! 万能の神よ! 教えてください、なぜに、何故に?
平穏に今まで通り暦をめくっていた人々に耐え難い試練を与えたものたちよ、何代何世紀に渡って語り継がれる悪魔の仕業なのだ。
私が青年の頃、後輩と故郷の港に在った公園で夕涼みしていた、突然余震の前触れもなく地震は襲いかかって来た、
ドドン! それはまさに不意打ちで来た、直下型地震だった !
後輩が取った手段は、腰を下ろしていたコンクリート製の土管へ逃げ込む術だった、冷静さを欠いた本能からの逃げだった、しかし、幸いなことに周囲の家屋が倒壊することはなかった。
一呼吸おいて安堵のため息が我々2人の口から漏れた、助かった!あの時、今回の 巨大地震のような悲劇が襲っていたら私達の歴史は途方もない暗黒色に塗りつぶされていたはずである。
現在の幸せはあり得なかった、当然子供たちもこの世に存在する事もなかった、その後輩も一生の会社勤めをやり終えて、関東に居を構えて余生を送っている、年2回の帰郷にその話が出る。
不測の災難に遭う人遭わぬ人、人それぞれだが、災難を避けた人は、その幸運に感謝しなければならない、不幸から逃れた運命を疎かにしてはならない。
私は、子供の頃から慈しんでくれた祖母から様々な話、特に地震、津波の話はよく聞かされた、、自然にその対応策も聞いて育った、人は他人の犠牲の上で幸せがあると言う事も忘れてはならない。
令和6年の正月元旦、あなた方はどんなお正月を迎えたでしょうか、
私には2組の同級会が控えている、健康を得て生かされる現実に感謝しながら同級会に臨む。
コロナを克服、インフルエンザ打倒、予防注射に感謝 !
「コロナが先か、寿命が先か」電話口で同級生に問うた私だった、
世の中の無情を嘆く前に !?