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友情

歳を重ねて

歳を重ねて

歳を重ねてという事は、悲しみと差し向かいになるということ。

残された僅かの同級生に元気を届けようと電話する。

元気な声を聞かせてくれる者がいれば、電話口に出ることさえ億劫な友もいる。

奥さんの日々が、その侘しさが偲ばれる、

「今日か明日か、ある友へ家族から連絡が入った、」

午後3時待ち合わせをして病院へ向かう、最後の面会になるだろう。

田舎者特有の愛称、あだ名で呼び合った竹馬の友、辛い別れとなる。

私たちの仕事はクライアントの要望を本人に代わって代理申請すること、予想外の事態に一喜一憂することも多々ある。

今まさにその事態に遭遇している、原則に忠実に、法に照らして粛々と無機質な相手との攻防、堂々と受けて立つとはいえ、いささか身に 堪えるようになった、同級生と違った意味で黄昏の日々を送る。

現役でいる事は想像していた以上に忙しく切羽詰まることも有る、正直いえば、人並みにゆっくりしたい、若い頃の悠長な甘えが今ツケとして帰ってきたということだろう ?

待ち合わせの時刻が迫って来た、友の車で病院へ行く、見送る人がいて、見送られる人がいる、この世の別れ程切なく辛いものはない。

「あの世でも同級生だよ、今世と同じ竹組になろうな、」

涙で霞む道後の湯。辛いね  !  

途中まで友の車で送ってもらい、自分の車に乗り替える、暑い盛りの午後の陽射しは殊の外きつい ! 見送る人、見送られる人 !

その別れは涙を誘う、握った手のひらはモノ言えぬ彼の思いがこもって強く暖かかった。

今日か、明日か !

命の脈拍に私は未練を託していた、「頑張れよ! まだ行くな !」

一年生からの竹馬の友、また会う時も竹組だぜ ! なあ! 友よ !

歳を重ねて   !?

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