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日常生活

おさげと花と  いがぐり先生

強風を伴う横殴りの雨がいつの間にか忍び泣く雨に変わった、
今日は奥歯2本を抜歯する日、予定の時間に歯科医院を訪ねた。

今回はまだうら若い研修医が担当するようである、大学生と
いうよりも高校生にしか見えないお兄ちゃん先生 !

「大事な歯を2本抜くと言うに大丈夫なんか?」と正直思ったが
診察台というのか又は治療台と言えば良いのか、治療開始となる。

まず、今回の治療の説明と同意の確認、手際の良い手順で進む、
「むむ! うんうん!」こりゃ見た目よりしっかりしているぞ !

それ以上に私が気に入ったのが言葉のイントネーション、何だ ?
どこかで聞いたような方言 ! 先日行った大阪の梅田難波周辺で
耳にした不思議な程の親近感なる方言ではないか ?

「少し痛いかもしれませんが麻酔注射をしますので痛かったら左手
を挙げて下さい」 正直言うと、やや、少しだけ、いや思ったより
痛い ! そうでもないか ! などなど思いが交差した !

しかし既に遅く、もうその時は、若いお兄ちゃん先生に傾きかけた
私は、思わぬず左手親指と人差し指で目一杯〇印を掲げた !
言葉はあなたを虜にする、言葉は何よりの鎮痛剤、を実証する事に。

院長と私は義理ではあるが身内、中四国の大学の雄 歯学部出身、
という事はお兄ちゃん先生もそこの卒業生に違いない ?

将来、大きな歯科医院の院長先生かもね、だったら彼の大成の為に
実験台も良いか ?  痛い思いも勲章かと我が身を納得させた。

外に出ると先程の雨は、再び斜めに吹き付けていた、まるで私を叱る
ように、このおバカさん、お人好しにも程がある、鏡を見て 見い ?

車に戻ってバックミラーを覗くと、糸引く雨 じゃなく一筋の赤い血
が歌舞伎役者の化粧見紛う糸を引いていた。(大袈裟な数ミリ ?)

愛嬌 愛嬌 ! いいんでねぇ の !  年老いた我が愛車のエンジンを
掛けた、発車オーライ !

車内のカーラジオから懐かしい三橋美智也の歌が聴こえてきた、

♪   おさげと花と地蔵さんと

今夜も若い男女がお見合い  「明るく行こうぜ陰気はダメだよ  !?」

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