広告
日常生活

高原の町  秋のお彼岸

小雨交じりのお彼岸、峠を越えて大切な人のお墓参り、ご夫婦で眠っておられる、隣接の墓には青いシキビが匂っている。

だが、胸が衝かれたのは目当ての墓には枯れた花さえ見当たらない、近くのお店にたくさんのシキビが私を待っていた。

その土地の習慣は有るとしても、人は亡くなるとその悲しみが薄紙を剥がされるように消えていく。

それにつれて想い出さえも遠ざかる、残された家族の日常生活に影響される、淋しいが人間の侘しさなのであろう。

お墓参りを終えると曇り空からポツリポツリと雨が落ちてきた。

数年前に来た時は、峠に降った大雨が墓地に着くとピタリとやんだ不思議を経験したが今回は逆の現象が起きた、これまた故人の想いがそうさせるのか  ?

私が大好きな高原の町、周囲を山に囲まれた田園地帯、のどかな風景に悲しみの民族紛争は見えない。

日本独自の平和な田園風景、子や孫らの未来が塗炭の苦しみに彩られないことを願う。

この今、世界のどこかで、いたるところで、つぶらな瞳から大粒の涙が落ちる地獄がある。

抜きん出たアイドルとのご縁を噂されるIT産業の若手社長が月への旅行に名乗りを上げるとテレビが特番を組んでいる。

宇宙ステ-ションから眺める地球は、濃淡カラ-の色合いは多彩なれど総じて眩いばかりの青さ、ブル-、されど現実は地域紛争の赤と褐色、人々が悲鳴を上げる。

「死んだほうがマシだよ!」こんな哀しい言葉が出る日常でないことを祈りたい。

簡素なお墓に佇むと、人間の限界、儚さが見えてくる。お金や財産は、あの世へは持っていけません、身ひとつ。

菜の花畑で、優しい人々に囲まれて永遠の安らぎを、物欲から解き放たれた安住の地、いつの日にか一緒に行きませんか !

ご夫婦の想いが、この小雨に託されたような ? そんな感慨に私は浸っていた。

高原の町、私の愛しい人々が日常の糧を睦んでいる。

戦争のない日本、戦争を仕掛けられない強い国 !

 

我々の英知が試されている !?

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

広告