ボランティアについて考えてみる
私がボランティア、奉仕活動に直接触れたのは、
福祉事務所の手話講習会に参加してからである。
聾唖者に関連する施設に勤められて退職されていた
A先生の講義に触れてからである。
年老いたA先生は、優しいお人だった。
数十名の受講者で講習会場は熱気に包まれた、
それぞれ何らかの事情をお持ちの参加者である。
それは熱のこもったものになった、
中には、聾唖者の姿も見受けられた。
二十歳前後は空手に熱中して、荒々しい喧嘩の場面や
仲裁を余儀なくされた青春時代の私にとって それは
別世界の出来事だった。
家庭的な問題を抱え、店へ来るお客さんの中には
耳が聞こえなく、言葉を伝えられない、聾唖者の姿も
時々見受けられていた頃のことである、
当然会話が出来なく、コミュニケ-ションが取れない
不自由な違和感を覚えていた。
その時福祉事務所主催の手話講習会が開催されたのである。
講習が終わる頃には、聾唖者と手話で冗談が言える
ようになっていた。
講習終了を待ってサ-クルを立ち上げようということに
なり、手話サ-クルあゆみの会が発足した。
初代会長は、受講生の約1/3の信者さんをつれて参加して
いた教会の牧師さんに決定した。
ところが半年後サ-クル内で異変が起きて、会長から相談を
受けることに・・・
「聾唖協会の人達と意見の違いで活動を続けることが出来ない
申し訳ないが後は あなたにやってもらいたい」
サ-クル会員の意見を求めた結果、私に会長の任がおりた。
私の本格的なサ-クル活動の始まりである。
ボランティアとは何か ?
困った人たちの身になって、尽くすということの意味を探求
することになる。
奉仕、奉仕活動、
自己の欲望を抑えて、公に尽くす、無欲の活動の始まりだった。
今に至る
組織の長たる者は、その構成者は、
「 自らの欲望を抑えて公に尽くす 無欲にある 」
私の原点となる活動だった。
大病を患い、命の終焉を覚悟した葛藤の日々、その後の
悟りにいたる道程に大きな影響を与えてくれた経験だった。
それは、私の背中に揺ぎ無い一本の芯を通してくれる宝となった。