40数年の時を経てふたりの男は再会する、
彼は、県警の元刑事、その地元ではチンピラたちが
震え上がった鬼刑事、その名はAと言った。
どちらがヤクザか分からない強面の彼には隠れた一面が有った、
人情刑事でも有ったのだが、一般の人は知る由もなかった。
彼Aは、若くして警察を退職して別の道に入った、
私等、もったいない、土地の治安のために大きな損失だと
真剣に思ったものである。
彼は、ある都市に住まいを構え、別の道を選択した、
結婚した相手は、私が親しくした知人のお姉さんだった。
お互い仕事の多忙で接点は遠のいた。
私の選択した職業は彼と共通の道、しかし、出会うことは
なかったが、思わぬところで再会することになる。
ある出来事により
彼の事務所を訪問した、あいにく外出して逢えなかったが
翌朝、電話がかかってきた、
緊急の用事で不在した失礼を詫び、訪問を喜んでくれた。
~ 形の違った友情 ~
私はそれを、忘れ得ぬ 男の友情 と呼ぶことにした。
歓喜の再会が そこに来ている。