今年最後の飲み会、一番町から三番町、一次会~二次会、傘の花が見事に揺れていた。
小降りだが、傘がなくてはこれ又堪らない、「傘をさしても、行き交う傘に手をあげる」
儘ならぬ世なら、儘なるように生きましょう、そう想うと雨がことさら愛しくなる、傘可愛い。
一次会はご馳走に舌つづみ、思わず頬も緩むというもの、二次会は演歌狂乱、歌合戦 !
驚いたのはママの美空ひばりショー !声質といい、こぶし回しといい、まるで天国の女王そのもの、ひばりちゃんの化身か ?
ひばりファン、ひばり命の死んだ兄貴が思わず身を乗り出したことだろう、「うまい !」
そう言えば、ママ…姿かたちも美空ひばり、農協の元理事長さえ相好をくずして讃えた程である。
入った時は貸切だったが、小一時間もすれば男女混合の上客の御来店、隣の席同士で演歌狂乱、この人達も年代に相応わしい演歌のオンパレード。
「うまいな !」聞けばお堅い役所の面々、道理で歌いぶりもお公家さん、隣同士の掛け合い最高、交互にカラオケの回し合い(愛)旅は道連れ、世は情け。
♪ 雨の夜あなたは帰る、昔ムード歌謡の貴公子が一世を風靡した歌、大街道を歩きながら思い出していた。
いつの世も、男女の仲はシーソーゲーム、上がったり、下がったり、泣いたり笑ったり ?
「わしは笑ったことがない、泣かされるばかりだった!」社会的に出世した友がそう言って声を上げて笑った、
「そのおかげであげまんの母チャンを掴まえたじゃないか」「それもそうだが ? それでも泣かされた恋は辛いぞ !」
「しまった、顔は我慢して結婚しとけば良かった !」彼を振った女たちの嘆き節が聞こえてきそうである。
日本の四季は素晴らしい、どこにいても歌がある、歌が生まれる、笑いと泣きが、行きつ戻りつ、ほんに忙しい !?