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人生

幻想 サクラ

幻想     サクラ

いつもなら桜の花咲く季節には人々の笑顔が見える筈なのである、その樹の下で恋人同士がカメラのシャッターを切る、子供連れの家族が嬉々とはしゃぐ恒例の季節なのに ?

私の眼に映る桜の樹々は訪れる人影もなく静まり返っていた、何かモノ言いたげに桜は佇んでいる、哀しみと言いようのない偽善者への怒りに胸が塞がりそして凍る。

シンガーソングライター達が、この今、桜を唄うならどのような歌詞とメロディーが浮かぶだろうか   ?悲しみの中にも希望に向かう歌であって欲しい   !

ウイルスの生誕の謎が解けて行く、これはこれで世界が震撼とするなら、我々は複雑な怒りを抱くことになる、確率的に悪い結果を迎えそうである、その怒りは何処に。

暗い想像は避けて通れないが貴重な命が救われることを切望する。

サクラ🌸

さくら🌸

散りゆく桜🌸

芽吹く希望の櫻🌸

子供たちが、おとなが、喜びに溢れる歌で有って欲しい。

春爛漫   !

私の田舎では家族揃ってゴザを敷き、車座になって桜の木の下に集った、家族の弥栄と健康を祈り明日の糧にした日本の自慢の伝統。

未曾有の災難が有り得ない不幸が、黄砂の舞う大陸から突然やって来た、備える間も無く、何の断りもなしに   !

・・・・・

窓を叩く音に混じって、かすかにささやく声がする、私は、陽だまりの安らぎにひと時のうたた寝をしていた・・・

「忘れないでね?   私たちを !」

声はすれど姿が見えない、その時ふっと眼に留まったもの ?

少し開いた運転席の窓に桜の花びらが1片 2片  3片 (ひとひらふたひら   みひら) 貼り付いていた、花片だからもちろん小さく可憐である、私は思わず目を凝らした。

「誰 ?  なに   ?」

その花びらは、まるで蝶のように車内を覗き込んで舞い踊る、白い羽根の生えた天使のように私の眼の前で舞っている  !

「哀しみから逃げないで、コロナを克服して、か弱い動植物を助けてあげてね  !」

その時私の車の横にワゴン車が止まった、若い男女の2人連れ、再び窓に眼をやると花びらの天使たちの姿はかき消えていた。

辺りを見渡すと車がいつの間にか増えていた、桜の木の小枝がかすかに揺れながら何かを訴えているようだ !

「この危機は、人間だけの災難では済みません、地球上全ての生き物たちの危機なのです、しかし解決できるのは人間だけ !」

梢の上から聞こえて来るか細い謎の声、それは先ほどの天使たち、言い終わるのを待つように私の前に桜の花びらが3ひら落ちて来た。

幻想、ファンタジー、舞い散る桜、いと悲しい。

コロナに感染した若い女性が心無い中傷に耐えきれず死を選びました、全てを捨てこの世からサヨナラする時彼女は何を思ったでしょうか ?

家族への愛を断ち切り、愛しい人との別れに、どれ程の涙が流れたことでしょう、ひとり泣きじゃくる女性の哀しさを思うのです、愛しくてたまらない。

私達は今迄にも過去にも試練を克服して来ました、コロナの為に築き上げた絆を捨てないでください。

あなたは自分だけは安全だとお思いですか ? コロナは分け隔てなく忍び寄ってくるのです。被害者だとばかり思わないこと、ある時を境に私たちは加害者に代わるかも知れないのです。

私はこの月末、関東のご夫婦をお迎え致します、「駅から直接タクシーでお訪ね致します、ご迷惑をかけないようマスクをして参ります・・・」   この! 言葉に答えたい。

私はコロナ感染の危険を承知でお逢い致します、この夫婦の心の叫びを受け止めたいと思うから。

さくら   サクラ   桜   !

コロナウイルスに負けるな   !   そして生き続けよ   !

私を男にしてくれた全ての人々に捧げます   !   勿論愛犬たちにも    !?

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