おふくろ・・・その愛
(私の住む地方では母親を一般的におふくろ、おふくろさんと呼んでいます。)
出かける前に事務所の書庫を覗いた、数本のカセットテープがある、私は無造作に手に取った、5本の歌謡曲が車に同乗した、南へ進路をとる。
電話は危険なためマナーモードにして出発する、途中何件か入るもコンビニまで失礼する。
何気なくテープを取って挿入、なんと、母・・・その愛、忘れていたが、有名歌手達が交互に母を歌っている。
思わず聞き惚れる、運転中なのに胸に来る ! 困ったなァ ! これから大事なご挨拶と商談なのに、ホロリときたままでは失礼に当たる、後の楽しみに !
私は祖母と母のことを折にふれ触れる、唯言えることはマザーコンプレックスに有らず !
貧乏で一生を終えたばあばとおふくろに楽をさせてやれなかったことが我が身を責める、その裏返しが悔いとして語ることになる。
小遣いをあげたかった、悩みを聞いてあげたかった、様々な思いが駆け巡る「親孝行したい時に親はなし」
現代、親の子殺し、特に再婚した相手の男が義理の子を無残に虐め殺す、その横で実の母が為すすべなく見殺しにする、私達の子供の頃には想像も出来なかった母性の崩壊である。
「許せない! 許さん !」それが私の畜生への解答である、言葉に言い表せない仕打ちに幼子は何を思ったであろうか !
「母ちゃん ! ママ !」母親に助けを求め、されど叶わぬ願いに絶望する幼な子が哀れでならない、愛しくてたまらない !
その叫びに腹を痛めた母親は答えてやれなかった ! 何故なのだ、男に叩かれてもなぶり殺しにされても我が子をかばうのが母親だろうに。
逮捕されて裁判にかけられる、そして刑に服す、なのにその鬼母達が懺悔の余り自殺したという報に接したことはない ?
自分の子を殺し、又は見殺しにして、悔恨の余り居た堪れなくなって自死したという話も聞いたことがない。
自分たちは食べれなくっても子供に粗末な食事だがよそおってくれた日本の母、いつから人間の心をなくしたのであろうか !
そんな日々の中で、書庫から偶然見つけた、
♪ 母・・・その愛
クライアントとの相談打ち合わせの帰り、私は車中で思う存分聴くことができた、耳を傾けた !
「たまらんね !」亡くして知る親の恩、助けてあげたかった母よ !
私の故郷は、西に海が開け、大島が台風の防波堤の役目をしてくれて、その背後には私達の生活の糧のみかんがたわわに実っている、愛しの故郷よ、母よ ! 胸迫る望郷の故郷である。
助けを乞う ! 幼児の声が聞こえぬか ?
お前たちにも優しい日本の母がいたのではなかったのか !
おふくろ・・・その愛 !?