陽光さんざめく 2月
約束していた事案の相談が終わり大手スーパーに出向く、目当てのカメラ店へ行くと別のカメラ店の新装開店の案内が店を囲うシートの壁にデカデカと載っていた。
ここにも時代の波に乗れなかった悲劇の主人公がいる、長い間通ったカメラ店、数十年前、私がまだ茶帯の頃に稽古をつけてもらった黒帯の先輩が務めていたカメラ店の系列店だった。
大柄なだけあってどちらかと言えば小技は使わず、大技で翻弄された性格は優しいが剛毅な人だった、その先輩は私の郷愁を誘う生まれ故郷の土佐は高知に帰られた。
風の便りで自分の店舗を構えられたことを知る、あの人柄から見て顧客優先の立派な経営者の道を進まれたことだろう。
それから会うことはなかった。
もし現在も同じ職種の店舗を展開しているなら、必ず分かるはずだから高知へ探しに行こうと思っている。
武道系の人達から私が受けた薫陶は言葉で言い表せないものがある、背骨に芯の通ったものを入れてもらった人々との縁 !
近日来の軟弱な人達と合間見える諸々を考えると武道に携わる人間は素晴らしい人達ばかりである。
少林寺拳法の故浦田武尚先生の墓前に花を手向けたい、私は立派な人達に巡り会うことができた、これ以上の喜びはない。
「 Sさん ! 」優しい眼差しだが射抜くような眼光が懐かしい !奥さんとの約束もコロナ収束を願って実現したい。
お墓参り、明治の主将が帰って来た !あの感激は遠い昔の話である。
浦田武尚、二度と現れない傑物、私にとっての誇りである、もう一人空手界の異端児がいる、駒大空手道部OB 彼の名前にも尚の文字が付いている 「尚文」 兄弟同然に育った曹洞宗住職 押忍 !
世知辛い世の中を、器の狭い井の中を見聞きする程に勇者達の人格が光って見える 「合掌! 押忍 !」
故郷に帰って来た青山学院大学空手道部OB、 私は今、彼らとの邂逅に感無量に浸っている。
陽光が人の物差しを図っている、人それぞれ、敵がいれば心強い味方がいる、世の中は捨てたものではありません、陽光さんざめく2月の空。
男Sの人生花ざかり、黄昏には早過ぎるもう少し後にしてくれ黄昏よ !
解釈は世の中の理不尽までも吹き飛ばす、明るく行こうぜ !?