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日常生活

出逢いの奇跡

ある会社の経営者の元へ急いでいたら突然携帯電話が鳴ったので、
急いで路肩に止まる。

「SさんAですが 電話宜しいですか ?」A社の会長夫人からだった、
「ハイ!どうぞ」先日ご夫婦と喫茶店でお茶をご一緒したばかりである。

お見合いの話である、
「結婚相手はせめて料理をしてくれる女性が良いです」
好男子、B君から聞いていたので会長婦人にお伝えしてご協力を仰いで
いたのである。

早速それに見合う女性を紹介いただいたと云うことである、
今後の予定を話し合って、随時連絡取り合うことになり携帯を終えた。

訪問の目的地に数分で到着した、初対面の経営者と挨拶を交わし早速
手続きに関する打ち合わせに入った。

難しい案件でこの地方では以前、私が許可を一件だけおろしていたが、
それ以外同業者が許可を下ろしたと言う話は聞かない。

経営者は既に役所に出向いて相談しており困難な案件だと承知していた。
会社の内情その他細かく説明を受けた、どうしょうか、どんな方向で
行こうか ? 少し時間を頂くことになった。

このように私達の仕事は、全く同じ内容のものはない、同じ法律でも
個別に書類作成が違ってくる、それだけに困難だがやりがいがある。

個人情報保護法との絡みでこれ以上の説明、お話は出来ない、秘密保持が
求められるのである、断片的なカモフラ-ジュにならざるを得ない。

夕方、役所から電話連絡が入った、「S先生、お待たせしました許可に
成りましたよ、いつでも取りにおいでください」 声が弾んでいた。

私の愚痴や、文句も黙って聞いてくれて、逆に穏やかに諌めてくれた職員
さんで、彼にも妻や子供達が待つ家庭がある、私に一節垣間見せてくれた。

日々の予定が詰まっているため、きちんと予定表にしておかないと忘れて
しまう、おまけに人の名前まで度忘れする始末、もしかして黄昏ですか ?

知人に笑われる、そういう彼も似たりヨタリ、先般は間違って昔の彼女の
名前を呼んだそうな ? 山の神さま、一瞬 キッと目が尖がったそうだ ?

若い時は亭主関白、今では借りて来た猫、奥さんのマスコットになっている。

今日の最後は、若い経営者を訪ねる、銀行融資の件を聞きに行く、
明日、支店長に確認する予定になっている、ご報告しますと答えてくれた。

彼の煎れるコ-ヒ-の味が得もいえぬ、「うまい! もう一杯!?」

明日は、嬉しい出逢いが待っている、イタリア旅行のみやげのプレゼント、
前でかしこまるふたりの男女、同僚C先生との相合傘ならぬ仲人役の一席、

人の縁、あなたと私の出逢いの奇跡、良縁でありますように祈る私です。

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