雨やどり
「人の世は持ちつ 持たれつ、」
「捨てる神があれば 拾う神がある。」
これは、私の精神形成に大きく寄与した祖母の教えである。
この歳にして、私は実感として噛み締めている、その通りだな!
先日、ある取引の決済を終えた後の雑談の際に売主から思いもよらぬ人の名前が出た、私が故郷を後にして未知なる松山に出て、貧乏、苦闘の最中に仕事を紹介して貰って手を差し伸べていただいた恩人の名前だった。
高校の後輩だと言われる、人と人の出会い、そのいかんで人のゆく道、幸不幸が決まる、懐かしさに胸が熱くなった。
そして今回は私が買主にこの機会を共にすることになったのである、まさに持ちつ持たれつ、新しい家が建つ、その施工業者の甥の手続きを以前私は請け負っていたのである。
世知辛い世の中だとつい恨み辛み、あの困難が嘘のように私の人生は好転した、良い人との出会いで捨てる神が去り 拾う神に出逢えたのである。
損得に無心、傲る心を捨てたところに運命は好転する、自分は後回し、頑張る人に「お先にどうぞ !」
知らぬ間に女神さんが微笑みを見せていた、お天道様の粋な計らい、歳を取るほどにそれを実感する、弱いものに目を、必死に生きるものへあなたの力を注ぎなさい。
馴染みの公園は、数台の車が雨やどり、窓を叩く雨の音が弱きものへ、その想いをそそぐ !
「ガンバレ ! 負けるなよ !」
不思議な現象だが、今私は考えられない福の神の役を仰せ使っている、クライアントの好意、情の慈しみで、福をお届けしているのである。
届け先は、真面目に生きてきた人々、
「見捨てる神で辛いけど、必ず拾う神、救う神が現れるからね !」
河川敷は心なし雨音も優しくなって来た、私の雨宿り☂️の時間の終わりです、これから暖かい我が家に帰ります、
「今日も一日ありがとうございました !」
雨やどり !?