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人生, 思い出

にじいろ 君への賛歌

にじいろ 君への賛歌

虹色、希望の色、縋りつきたい明日に託す色、これには子供の夢と想い出があった。

ある日のこと、海辺に建つ私の家から外へ出ると後ろの神社の真後ろに虹が谷を跨いでいた。

大きく見事な橋だった、一方の橋桁の部分は私の従兄弟の家の少し上から始まっていた。

その壮大さに私の足は引きづられるように歩み始めた、最後は必死に歩を早めた、そして目的地辺りに辿り着くと、その世界は霧雨で煙っていた。

虹色、いやその形跡さえ無い、小雨降る空虚な世界、希望と落胆の色、子供心に肩の力が抜けた。

まるで独り占めの宝物が忽然と消えたような虚しさを感じていた、夢の世界と違って現実は何と儚いものか? 子供心に荒野に放り出された孤独感を味わっていた。

希望は失望の裏返し、現実の虚しさを嫌というほど味わっていた、失敗は成功のもと、成功は並大抵では掴めない、孤独に苛まれ、独り身の虚しさを知らされた。

私の幼児体験はこうして孤独の中に指を数えた、諦めではないが、航海の厳しさをこうして認識させられ、身をもって体験したのである。

もちろんこれらの思いはその時味わった訳ではない、年齢を数えるほどに後付けで意識していったのである。

物事を成すには大変な努力がいる、1人の人間の限界を知らされた体験だった。

ことに臨んで慌てない、たとえ失敗しても諦めない、その胆力の源泉だった、虹を追いかけた子供の心の内、

今振り返ってみると何と可愛くもいじらしいものだったか、急斜面を駆け上がった子供一途、私は大切な宝物として記憶の底にしまっている。

大人になって、故郷を振り返る時、あの斜面にもう一度立ってみたい、虹を必死に追い求めた少年よ! 頑張ったね  !

にじいろ  君への賛歌   !?

にじいろ 君への賛歌” に2件のコメントがあります

  1. 杉の子さん。

      山の彼方の空遠く  幸い住むと人の言う

      ああ我人と尋 (と ) め行きて  涙さしぐみ帰り来ぬ

      山の彼方のなお遠く  幸い住むと人の言う 

     中学時代に学校で教わった、カール・ブッセの詩です。この人は、少年の頃貴方のように虹を追いかけ、現実に落胆した経験を持っていました。しかし少年の心を失わず、立派な詩人になりました。どこか貴方に似ていると思いませんか。

  2. onecat01さん、
    世界に名をなせた詩人に申し訳ありませんが、虹を追いかけた少年には、
    あの時の虹は希望の宝物でした、この歳になっても私の胸の底に大切に 
    収まっています。

    悲しい事ですが人間同士の信頼関係が気薄になった今だからこそ思い出
    を大切にするのです、日本を良くするためには政治家が模範を示すのです。

    日が明けましたらコメントを差し上げます、あなたのコメントに癒されます。
    杉の子

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