雪の華 まるでジュータン
トンネルを抜けると全てが白一色、まるで魔法の世界へ迷い込んだような不思議な感覚に陥った。
友から、故郷へ行かないかと連絡もらったのが昨日のこと、「行こう! 行こう!」 雪の予報を気にしながら快諾した。
待ち合わせ場所は、行きつけの「DCM」 彼の愛車に同乗、楽しいドライブの始まりだった、小学校以来の盟友にして母方の親戚でもある。
子供は、一流企業の社員と夫婦共の税理士、良き配慮の元、彼の余生は開花した、地元有数のBKを務め上げて退職。
余力を残して第二の人生に挑んで現在に至る、その根性と意欲には頭が下がる、「元気で居てくれよ。」
雪道の高速は危険なので海岸線の普通道を南下、快適この上ない、車中の会話は多義に渡る、子供時代の懐かしい思いで、古い話なのに、まるで昨日の事のように思い出される。
右手に過ぎる海面が白く泡立って背後に飛ぶ、それも雪の量が増えるにつれスピードが落ちる、難行の始まりだった。
車中の2人、「これは大変だね、このまま行けば帰り大丈かな ?」 呟く声も息が詰まる「ダメな時はその時!」それにしても、こんな雪は初めてだぜ !」 「そうだね!」
外は寒いのに車の中は暖房で暑いぐらい、雪んなかの情景と奇妙なアンサンブル、これも人生のひとこま、ワンダフル、楽しい。
ところが故郷に近づくほどハンドルを取る友の表情が厳しくなる、やがて市内に入り海の駅へ到着、しかし、予定していた実家の在る村へ行くのは断念した。
小1時間ほど居て松山へ引き返す、予想もできなかった積雪に悩まされることになる。
内子周りの山の手が海岸線よりもずっとひどい状態のため各物流車両が海岸線に変更したため車両の増加に伴う混雑も有って大変な事態になった。
友の弱気が車内を暗くさせる、「松山へ無事帰れるかな?」そこで私が平静を保ち ! 生まれて初めての雪だなア !」「思い出に残るぞ !」 彼の声が元に戻った、「そうだね!」
トンネルを過ぎるとそこは愛しい、松山城下、「やれやれ!」
高速道避けて海岸線決断の友に乾杯 !
「奥さんの美味い酒、思い切り飲むんだね !」心なし涙混じりの声が帰って来た。
同級生はいい! これからもよろしく S よ !
雪の華 まるでジュータン !?