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思い出

ダカラ言わない事だ、パンチ

「バシッ!」
目にも留まらぬ早さでパンチが炸裂した、
「ドスっ!」 今まで喚いていた相手は、
声も無く地べたに崩れ落ちた、一瞬の間の出来事
だった。

右のショートパンチだった、
「だから言わない事だ、大人しくしていれば良い
ものを、痛いだろうが?」

なだめていた先輩が愚痴めいた言葉を発した、
狭い路地での出来事。

通りすがりに肩が触れた触れないの小競り合い、
アッサリ頭を下げれば好いものを?
なまじカッコつけて下がらないから可笑しくなる。

港町の夏は、休漁期の漁船員で賑わっていた。
土曜夜市のお客さんが退けて、通りは喧騒から
醒めたように静かさを取り戻していた。

そのやられたAは近隣の山村の男、歳はハタチ、
普段は恥ずかしがり屋の素直な男なのだが、
酒が入ると性格が変わる。

田舎の先輩とスナックで一杯引っ掛けて
下道にある行きつけのバーへ急ぐ途中だった。

広い道から狭い下道へ入った所で3人の男連れに
遭遇した、その内のBの肩と触れた触れないと
なってしまったのである。

数分小競り合いが続いたが双方納得しない、
その時、Bの連れのCが痺れを切らしたのである。

無言のまま、右のショートパンチを繰り出した、
先輩の・・・「だから言わない事だ・・・」

喧嘩の勝者敗者の立ち位置は、当然キツい !?

後から聞かされた私は、呟いた・・・
「大怪我にならない分儲けもの、命あるだけ幸せ!」

しかし、その青春の一コマ一コマを振り返ると
殴られて身体の痛みを経験した者は、其れからの
人生に有形無形に何かを掴む、無駄ではなかった。

私は、不遜だがそのように思う。

自ら痛みを知る者は相手に対する手加減が分かる、
危険予知の本能が働くようになる。

だが、生まれつきサデスチックな者は、例外かも
知れません。

現に今までの日本では理解できない世界情勢の推移、
南シナ海並びに東シナ海の不穏な情勢は明日の日の
命さえ知れない状況を醸し出している。

喧嘩している場合か ?
まさに、その通りである、時は、国内問題では無い、
外国間の揉め事は、国の消滅が掛かって来る ?

現実に返って・・・
ゆめゆめそのような場所に身を置かない事です、
逃げるが勝ち、

私の自論です。

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