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日常生活

うたごえ喫茶 その人の名は

うたごえ喫茶は午後2時から始まっていたが私は都合で3時から参加した、
約束のA譲が笑顔で軽く会釈してくれた。

楽器演奏者の交代の合間をぬってAさんが私の傍へ寄ってくれた、紹介の
女性が二人に増えましたという、そう今日は縁談の為の顔見世なのである。
若い女性が向こうの席から会釈を寄越した。

喫茶店Pは、ほぼ満員、その内10名ほどが男性で後は女性が30名弱程、
今日のレパ-トリ-は、年長者に合わせた昭和世代の歌、エレクト-ンの
音色が素晴らしく奏者の腕が偲ばれる。

リクエストの君恋し、白いブランコ、ラブュ-東京、等は男性陣が唄って、
真夜中のギタ-、つぐない、ハナミズキ等は女性陣のリクエストだった。

4時にうたごえは終了、A譲と若いB、Cさんと4人で肝心の見合いの
下話に移った、予定外出席のC譲のお姉さんが私のふるさとの市に嫁いで
いると言う、嫁ぎ先の名前と義父の名前を聞いて驚いた、私の高校の同級生、
それも仲良しの友達だった。

それから堅苦しい雰囲気が一変して、彼女達の表情も和んだ、楽しい顔見世
となったのである。

世間は狭い、何と初対面の女性が私の親友の息子の嫁さんの 妹さんとは ?
分からないものですね、これだから悪いことは出来ません。

楽しい語らいは終わりました・・・
良き伴侶を世話することを約して喫茶Pを後にしました、
こんな気づかれは何度有ってもいい、爽やかな1月の風が頬を吹き抜けて行った。

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