忙しい中にも一息つける時が来た、
その電話の主は、自分の体調の不調を語りながら
一気にぶちまけて来た、
「体調の良い時に会いにいくよ!」そう言う私に
「こなくても良いよ・・・」と力なく答えた。
損な人である「Sさんの言葉はキツイ!」ここにも
私をそんな風に評する男がいる、なのに電話を掛けて
来る不思議 ?
余程たやすい男だと見ているのか ? それともそう
言いながら甘えたいのか ? 彼の腹は読めない !
お互い、理数系とは異質な文系にして体育会系、
そこは、共通している、正直に腹を見せるところが
損をしているが ?
長生きせいよ、そう言いたいが負けん気の勝る男には
禁句か ?
彼のことはまず把握している、だが本人には触れない、
黙って胸に納める情も有っていい、
普通の男で有れば神経衰弱にもなろうかと思うほど、
体調は危険な状態、この一本の電話が彼の息抜き救いに
なれば、何時でも聞き役をしてやりたい。
向こう側に居た人間が二人も、橋の向こう岸に渡った、
後悔を込めて、彼らとの疎遠を振り返っている。
この世で、袖擦り合うも他生の縁ならば、もっと方法が
あっただろうに、悔やまれる後悔である。
叩かれた人間はその皮膚の痛みを忘れぬが、叩いた方は
更に胸が疼いて心が痛む、拳 (こぶし) が尚更夜泣きする。
詮無いことを思っていた、日本人同士じゃないか、もしも
戦場で出会ったなら、必死にかばい合う戦友である。
日本の明日が危うくなって来た、所詮この命、ならば国に
捧げる使命が有ってもいい、
日頃、喧嘩相手のお前でも、もしもの時は助け合う仲間同士。
あの、美しい山河 忘れまいぞ。