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雑談

男とは  悲しきものよ  内弁慶

男の世界は複雑極まりない、駆け引きがとにかく多すぎる。
女の感性と男の理性、私は勝手にそう呼んでため息をつく。

相手の生き方、心の持ちよう、そして肝心な度胸の有る なし、
若い頃と歳を食ってから経験した人間観察をご披露してみる。

「お前がマスタ-か、ちょっと来い!」 初対面で恫喝である、
彼ら一流、始めに一発かましてきた、これで普通は通用する、
何人もの同業者がこうして軍門に下って従順と従って行った。

若さゆえ、私は怖いもの知らず、普通に平常心でモノを言った、
それが彼らにすれば変わった若造と写ったようである。

私を怒鳴った後首をかしげて店を出る兄さん達、不思議だった。

若い頃だからどうしても政治家や経済人の一流どころと接する
機会は限られてくる、必然的に職業との関係でその筋の人との
接点が増える、致し方ない客商売の生活圏では在った。

そこで、びびると飲み込まれる、経営にも苦労することになる、
きちんと礼儀作法を示して平然と出来るか難しいところだった。

私は、辛うじて信念を通させてもらった、そしてその世界の人達
は、今と違って義理人情が残っていた時代だったのである。

まあいいか! 若いなりに頑張っているからそっとしてやろう !
そんな雰囲気は確かにあったのである。

勿論、ちょっかいを出してくる御仁はいる ?
金を貸してくれんか ? 頼みがあるのだが ? 付き合ってくれんか!
さまざまな誘惑がある、私は恵まれていた、出会った人達が良かった。

Sの店に迷惑掛けるなそんな指令もあったように聞いている、ほとんどの
元気者は淋しい旅立ちであの世に向った、人間個人としてお礼述べたい。

数年前の事
ある懇親会だった、何人もの同業者が彼の奇妙な言動に翻弄されていた、
今まで、仲良く飲んでいるのに、突然不愉快な嫌味を言ってくる、

この男は何だとなる、しかし普通の人はつい先まで仲良く飲んでいたので
気持ちの切り替えが出来ず地団太踏むことになる、この野郎、だが後の祭り。

私も彼の洗礼を受けた、このような展開だった ?
愉快に飲んでいた時、「Sさん、ちょっと話があるのだが聞いてくれる?」
「Sさんは、もっと出来る人だと思っていたが、ダメでしたね ?」

いろいろ・・・侮辱の言葉が並んだ !! おいおい! なんだ ? 
さすがに私はムカッと来た !

その後、彼は自嘲気味に「私はここの 嫌われ者だから」と弱気を見せた、
カチンと来たが、その姿が悄然としているので逆にやさしく言葉をかけた、

「心配せんでもいい、あんたはいい男だ !」
うなだれた姿が孤高の男の侘しさを現していた、しかし、逆襲は後に ?
たんまりと大勢の前で披露して差し上げた。

それ以降
彼の私に対する表情は、さばけた純真な男に帰っていた、これでいい !
出会う度、心の垢が落ちたように、私に対する彼の笑顔は素に戻った。

男の世界は複雑極まりない、されどこれぐらい単純な生き物もいない。
どうせ、この世は一瞬の間、仲良くしょうぜ、袖すり合うも他生の縁。

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