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雑談

ごめんよ ! 辛かったね !

電話の向こうで泣いていた、そう心の中で、
男の理不尽さに声が震えていた、彼女が悪い
訳ではない、別の事務員の代わりに怒られた。

愚痴も言わずただひたすら上司の指示を仰いでいた、
そんな純真に男は怒りをぶちまけた。

後から振り返ると可哀想な、やり場のない哀しさ、
・・・だったはずである ?

男がその職場を去って早、数年が経つ、季節は春を
迎えていた、

彼女は職場では年長さんになっていた、男はある事で
電話をかけた、懐かしい控えめな声が返ってきた !

心なし落ち着いたそれでも精一杯気を使った声色の
その職場にふさわしい事務員さんになっていた !

( 一度、詫びなくちゃいけないな!) 心の隅に後悔と云う
悔やまれる想いが沈殿していた、この数年の歳月は
男の想いよりもずっと彼女を成長させていた。

良き女房にして、優しいお母さん、
ひとの妻を叱っていた短気な男の理不尽さを詫びに行く、
彼女の歳月を推し量って見る・・・!

季節の想いを胸にだいて、
「ごめんよ! 悲しかったね! ごめんよ!」

娘ほどの人、気遣いの行き届いたその人は笑顔を見せて
くれるだろうか ?

私の懺悔の完結する日がそこに来ている !

その職場は、若い有能な人材の新体制で更に高みを目指す。

「敗軍の将、兵を語らず!」 男の心を忖度するように空に
涙雲が近寄って来た、 「泣かせるものなァ!」

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