友よ! 同級会 一緒に行こう
番長Yの仏壇に線香をあげて奥さんとしばし故人を
偲んで思い出話、
一年半が過ぎても家人にとって悲しみは消えない。
仲の良かった夫婦である 「幸せでした!」
「家族を大事にしてくれる優しいお父さんでした。」
奥さんの言葉を私は理解できるが、多くの同級生や
後輩にとっては理解出来ない、学生時代の彼である。
実の父が亡くなって母は再婚した、父親違いの妹が
二人できて、彼の心に影が見えるようになった、特に
高校時代は手がつけられなかった。
再三語っているがこの男の偉かったのは後輩に手を
出さなかった、もっぱらイケズの先輩に血潮を滾ら
せて向かったのである、その横に常にMがいた。
結婚してから変わった、奥さんの内助の功が大きい、
妻の親に「本当に優しい人」 と言わしめた彼が偉い。
今度の同級会に彼の写真を持って行く、仏壇で微笑む
男前の小型版、私の横で酒を酌む !
最後まで痛む身体を家族に悟らせなかったツワモノ !
「治療の都合が有るのだから奥さんには正直に言えよ」
と助言する私に・・・
「言ってもいいかの ?」
私は彼のその言葉に胸が詰まった、 ( 何て奴だ ! )
痛む身体なのに妻子に心配かけたくないと我慢する。
( 何て男だ ! )
二人の娘さん達の近況を伺って、次の訪問先、K 寺へ
向かう、そこには若い頃の我が家のいそろう Z 君が
昔の面影のままで待っていた、夫婦揃っての里帰り。
「Sさん、お父さんに言って聞かせてよ !」
愛妻 Sちゃんが甘えた声で訴える、数十年前のあの日が
蘇って来た、
その横には、私の荒ぶる時代を知る人達が待って居た ?
さて・・・