Z君の里帰り 釣りバカ日誌 ひと休み
我が家のイソロウ君、男Z 里帰り、 押忍
午後のひと時お寺の境内は静かな時を刻んでいた、
中から賑やかな人の声が聞こえてくる、引き戸を開けて
「ごめん下さい!」 声を掛けると聞き覚えの有る住職
が「ハイ!」と言いながら出て来た。
奥に向かって「Sさん来たよ!」
話し声が止まって二人の男が出て来た、ひとりは可愛い
後輩 Z 君、もうひとりの年配者の顔が分からない ?
住職の同級生だが身の回りの世話しているY 君でネェの?
広い座敷を陣取って卓袱台を囲む、
女性が2人、冷えたお茶と美味しそうなショートケーキを
運んで来た、「どうぞ召し上がってください!」
Z君の愛妻Sちゃんとお手伝いのKちゃん彼女は私の先輩の
娘さん、気だての優しい人妻さんで有る。
「変わらんな! Zよ!」昔の愛称で呼びかける、懐かしい、
しかし、不思議な事に何年も逢っていない気がしない、
昨日の続きのような感覚、人生をやり遂げた楽隠居さんは
若い !
昔の傍若無人の頃の思い出話がそれぞれの口から飛び出す、
高校時代から近隣に名を売った男前Z、通称Z君、華やかで
周囲を明るくさせ、後輩達が慕った先輩である。
私は始めて公表したが
「俺の青春はZがいてこそあったようなもの感謝しかない!」
4級下のZとの出会いが、多彩な交友関係をもたらせてくれた、
家の山の神は、このお寺の檀家にして幼馴染み !
だからZは我ら夫婦の全てを知っている、弱味を握る伊達男、
男の急所を握られた、男Sの泣きどころ ? なんちゃって?
楽しい話は小一時間、次の大事な縁結びの話が待っている、
細かな会話は次の機会に・・・
釣りバカ日誌の浜ちゃんとはここでお別れ、ところが境内で
彼の一の弟ぶん、W公とバッタリ、お互い分からなかったが
すぐ気がついた、高校時代は少林寺拳法をやっていた硬派 !
名残惜しいが再開を約して別れる、
Zが、就職で上京する折り、私のボロアパートで送別会をした
その時の幹事役兼ボデーガードがこのW公である、父の再婚
相手の義母が出来た人で、Zとウマが合ったこともあって義理
の親子関係に大いに寄与した。
県内大手の建設会社を無事定年退職、常識を弁えた人格者に
成長した紳士である。
私とZ、ZとW公、それぞれ固い絆で結ばれている、男の友情は
素晴らしい !
私が人生で第一にあげるとしたら男の友情である、宝物 !?
長年会っていなくても一瞬で過去がえり、「貴様と俺」の物語、
浜ちゃんこと、 男 Z の交友録を紐解いて見たい、
昭和がサンサンと輝いていた港町、みかんと魚の町に素朴な
我々の原点があった。
お寺の三男坊は気楽なやんちゃ者、大人と子供に夢を見させて
風を切る、
跡を継いだ兄貴は人情和尚だが、大学空手のツワモノだった、
その兄貴より素質があって、リズミカルな突きと蹴りを放つ
華麗な技師、それがZだったのである。
現円心会館の二宮城光館長を彷彿とさせる空手をやっていた、
遥かなり港町、現プロボクシングジムK前会長と大政小政で
港町を闊歩した、2人を見ると元気者たちでもよけて通った。
遠い日の懐かしい、鼻にツンと来る思い出である。
男達の友情、汗と涙の狂想曲、乙女達の恋心が萌えた町 !
もう一度紐解いて見たい、我らの青春、
幻のファイター! ボクサーK 交友録に登場させて見たい !?